「質問力」「伝達力」とは?交渉力を高める基本スキルを解説

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ビジネスの現場では、自分の意見を通す場面や相手の要望に応える場面が頻繁にあります。そのときに必要になるのが「交渉力」です。交渉力は営業や取引先との商談だけでなく、上司や同僚との調整、さらには日常生活のちょっとしたやり取りにまで関わる普遍的なスキルです。本記事では、一般のビジネスパーソンを対象に、交渉力が求められる場面と、それを高めるための基本スキルについて解説します。
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目次
交渉力が求められるシーン

交渉力というと「営業職だけに必要」と思われがちですが、実際にはあらゆるビジネスシーンに関わっています。ここでは職場や日常生活を中心に、交渉力が役立つ具体的な場面を見ていきましょう。
職場での交渉(上司・同僚・部下との調整)
職場での交渉は、単なる意見のすり合わせではなく、組織全体の成果に直結します。上司に新しい提案を受け入れてもらうときには、相手の立場を理解したうえでメリットを強調する必要があります。たとえば「新しいシステム導入を提案したい」場合、単に自分の便利さを語るのではなく「チーム全体の業務効率が上がり、上司のマネジメント負担も軽減される」という点を示すことが効果的です。
同僚との調整では、立場や考え方の違いが衝突の火種になりやすいですが、ここで重要なのは「自分の意見を通すこと」ではなく「双方が納得できる妥協点を見つけること」です。部下との関係でも同様で、単に指示を押し付けるのではなく、部下自身が納得し行動に移せるように導くことが交渉力の真価といえるでしょう。
日常生活や顧客との交渉
顧客との価格交渉では、一方的に「値下げしてください」と迫るのはゼロサム的な発想です。相手の立場を尊重しつつ、自分たちの利益も守る方法を模索することが求められます。たとえば「価格を下げる代わりに納期を柔軟に調整する」「長期的な契約を前提に一部条件を緩和する」といった工夫が考えられます。
また、交渉はビジネスに限りません。家庭内での役割分担、友人同士の予定調整、地域活動での意見の一致なども交渉の一部です。これらをWin-Winの関係に変えていく力を養うことで、仕事だけでなく人間関係全般がよりスムーズに進みます。

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交渉力を高める基本スキル
交渉力は天性の才能ではなく、具体的なスキルを習得することで誰でも伸ばすことができます。代表的なスキルとして「質問力」「チャンクアップとチャンクダウン」「伝達力」が挙げられます。それぞれの特徴を理解し、実際の場面でどう活かすかを見ていきましょう。
質問力:情報収集と相手に考えさせる力
質問力は交渉の土台です。相手が本当に求めているものは、表面的な要求の背後に隠れていることが多いため、「なぜそう考えるのか」「その目的を達成すると何が得られるのか」といった深掘りの質問が必要になります。これを繰り返すことで、相手自身も気づいていなかったニーズが明らかになることがあります。
さらに、質問には「相手に考えさせる」という効果もあります。単に「できますか?」と聞くのではなく、「どのようにすれば実現できると思いますか?」と投げかけることで、相手は主体的に解決策を考え始めます。
質問力を高めるポイントは以下の通りです。
- 情報を引き出す質問:「それを行うと何が得られますか?」
- 考えを深める質問:「なぜそう思うのですか?」
- 協働的な質問:「どのようにすれば実現できそうですか?」
これらを活用することで、交渉は一方的な押し付けではなく、協働的な問題解決の場に変わります。
チャンクアップとチャンクダウン:抽象と具体を行き来する力
会話を抽象的に広げる「チャンクアップ」と、具体的に掘り下げる「チャンクダウン」は、交渉を整理する上で欠かせないテクニックです。チャンクアップでは「なぜそれが必要なのか」を問い、相手の目的や価値観を明らかにします。たとえば「この提案を採用すべきだ」という主張に対して「その提案が実現すると、どのような効果が期待できますか?」と質問するのが典型です。
一方、チャンクダウンは大きな話を具体的な行動に落とし込むプロセスです。「市場を広げたい」という抽象的な目標に対して「どの地域から始めるのか」「どんな手段を使うのか」を問うことで、行動計画が明確になります。
より分かりやすく整理すると以下のようになります。
- チャンクアップ:話を抽象化して本質を探る
例:「なぜそれが必要なのか」「それを達成すると何が得られるのか」 - チャンクダウン:話を具体化して行動に落とす
例:「いつ、どこで、誰が、どのように行うのか」
チャンクアップとチャンクダウンを組み合わせることで、交渉はより現実的かつ合意形成につながるものとなります。
伝達力:論理的かつ明確に伝える力
交渉の場では、自分の主張を正しく伝える力が重要です。伝達力が弱いと、どんなに優れた提案も相手に理解されず、交渉が失敗に終わることもあります。伝達力を高めるためには、事実と意見を区別して話すこと、専門用語を避け誰にでも分かる表現を使うこと、全体から詳細へ、結論から理由へと流れを意識することが求められます。
また、非言語的な要素も軽視できません。声のトーンや話すスピード、アイコンタクトや姿勢などが、相手の信頼感や安心感を左右します。さらに、相手の反応を観察しながら言葉を修正できる柔軟性も伝達力の一部です。
伝達力を磨くためのポイントは以下の通りです。
- 内容の整理:「結論→理由」「全体→詳細」の順で話す
- 分かりやすい表現:専門用語を避け、具体例や数字を交える
- 非言語の工夫:声のトーン、スピード、目線を意識する
- 双方向性の確保:相手の反応を観察し、適宜調整する
伝達力を意識的に高めることで、交渉全体の説得力は格段に増していきます。
eラーニングで学ぶメリット

交渉力を伸ばすには継続的な学習と実践が欠かせません。とはいえ、忙しいビジネスパーソンにとって、研修やセミナーに参加するのは時間的にも費用的にも負担が大きい場合があります。その点、eラーニングは効率的で柔軟な学習方法として大きな強みを持っています。
忙しいビジネスパーソンでも継続できる理由
eラーニングの最大の強みは、時間や場所に縛られないことです。出張先や通勤途中、自宅など、スキマ時間を活用して学習できます。また、学習内容を繰り返し確認できるため、知識の定着率が高くなります。特に交渉力のように実践と振り返りが大切なスキルは、反復学習が大きな効果を発揮します。
さらに、eラーニングは短時間で完結するモジュール型の教材が多く、1回10分程度で進められるものも少なくありません。これにより、忙しい中でも学習を継続しやすく、モチベーションの維持につながります。
実践的な学びが成果につながるポイント
多くのeラーニング教材は、単なる知識伝達にとどまらず、ケーススタディやロールプレイを取り入れています。これにより、理論を学ぶだけでなく実際に使える形でスキルを定着させることが可能です。たとえば「価格交渉のシナリオを動画で学び、その後に自分ならどう答えるかを考える」といった仕組みは、実際の場面での応用力を養います。
また、自己診断テストやチェックリストを活用することで、自分の強みと弱みを客観的に把握できるのも大きな魅力です。改善点を意識して学習を進めることで、学びの効果はさらに高まります。
まとめ
交渉力は、職場での調整や顧客対応にとどまらず、日常生活にまで役立つ汎用的なスキルです。その本質は、相手との立場や意見の違いを乗り越え、Win-Winの関係を築くことにあります。質問力、チャンクアップとチャンクダウン、そして伝達力といった基本スキルを意識的に磨くことで、交渉はより建設的で前向きなものになります。
さらに、eラーニングを活用すれば、時間や場所に縛られず、実践的に学び続けることが可能です。交渉力を強化することは、キャリアアップや人間関係の改善につながり、ビジネスパーソンとしての成長を大きく後押しするでしょう。
質問力・伝達力の強化
交渉のゴールは、相手を説得することや相手に打ち勝つことではなく、交渉の目的とは、利益を確保することはもちろん、相手に心から納得していただき、可能であれば相手の利益をも確報することです。本研修では、交渉の前提となる情報・条件を整理し、お互いがWin-Winとなるための交渉スキルを身につけます。
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