偏向してる?オールドメディアとニューメディアとの違いを解説

私たちは日々、テレビや新聞、SNSなどからさまざまな情報を得ています。しかし、「メディアによって報道内容が違う」「このニュースは偏っているのでは?」と感じたことはないでしょうか。特に、新聞やテレビといったオールドメディアと、インターネットを活用したニューメディアでは、情報の伝え方や拡散の仕組みが大きく異なります。
オールドメディアは長年にわたり社会に影響を与えてきましたが、一方で「偏向報道があるのでは?」という疑念も持たれています。一方、ニューメディアは即時性や多様な視点を提供するものの、フェイクニュースが拡散しやすいという課題も抱えています。
本記事では、オールドメディアとニューメディアの違いや、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説し、どのように情報を受け取るべきかを考えていきます。
目次
- オールドメディアとは?その定義と特徴
- オールドメディアは偏向しているのか?
- ニューメディアのメリット
- ニューメディアのデメリット
- オールドメディアとニューメディアの違い
- オールドメディアとニューメディア、どちらを信じるべきか?
オールドメディアとは?その定義と特徴

オールドメディア(Old Media)とは、伝統的なマスメディアのことで、具体的には新聞・テレビ・ラジオ・雑誌などが該当します。これらのメディアは長い歴史を持ち、特に20世紀後半までは、情報の発信源として圧倒的な影響力を誇っていました。
しかし、21世紀に入りインターネットが普及すると、YouTubeやSNS、ニュースサイトといったニューメディア(New Media)が台頭し、情報の流れが大きく変わりました。現在では、オールドメディアとニューメディアが混在しながら、情報の受け手側もメディアを選択できる時代になっています。
オールドメディアの大きな特徴として、次の3点が挙げられます。
一方向の情報発信
新聞やテレビは、発信者(マスコミ)が情新聞やテレビは、発信者(マスコミ)が情報を送り、受信者(視聴者・読者)がそれを受け取るという、一方向的な情報の流れを持っています。基本的に視聴者からのフィードバックはなく、報道された内容をそのまま受け入れる形になります。
近年では、SNSのコメントや視聴者アンケートを通じて視聴者の意見を取り入れる試みもありますが、基本的には一方的な情報伝達が主流です。受け手は発信者が提供する情報を受動的に受け取るため、情報の取捨選択が難しくなることもあります。報を送り、受信者(視聴者・読者)がそれを受け取るという、一方向的な情報の流れを持っています。基本的に視聴者からのフィードバックはなく、報道された内容をそのまま受け入れる形になります。
厳格な編集・審査プロセス
オールドメディアでは、編集者やプロデューサーが情報の信頼性を確認し、誤報を防ぐためのチェック体制が整っています。そのため、インターネット上の情報と比較すると、事実確認がなされた「信頼性の高い情報源」とされてきました。
記事やニュース番組が世に出るまでには、取材・編集・校閲といったプロセスがあり、内容の正確性が確保されます。ただし、編集者の視点や意向が影響を与えることもあり、完全に中立であるとは言い切れません。メディアのスタンスによって、どのニュースを大きく扱うか、どのように伝えるかが変わることもあります。
大きな社会的影響力
新聞やテレビは広範囲に情報を届けるため、政治や経済、社会に与える影響力が非常に大きいのが特徴です。特にテレビのニュース番組は、多くの人が視聴するため、世論形成に大きな役割を果たしてきました。
例えば、選挙前の報道内容が有権者の投票行動に影響を与えることもあります。また、企業の不祥事を取り上げることで、その企業の経営に大きな打撃を与えることもあります。この影響力の大きさが、メディアの責任をより重要なものにしているのです。
オールドメディアは偏向しているのか?

「オールドメディアは偏向しているのではないか?」という疑問は、多くの人が抱いている問題です。実際に、メディアによって報道の仕方が異なり、同じニュースでも視点や強調点が違うことがあります。
メディアの編集方針と報道の偏り
新聞やテレビ局は、それぞれ編集方針や社風があり、政治的なスタンスを持つことがあります。例えば、日本の新聞でも「〇〇新聞はリベラル寄り」「△△新聞は保守寄り」といった特徴が指摘されることがあり、報道の論調にも違いが見られます。
同じニュースでも、あるメディアでは「政府の政策を批判的に報じる」一方で、別のメディアでは「政策を前向きに評価する」といった報道の仕方の違いが生じます。このような偏りは、意図的なものもあれば、記者や編集者の価値観によるものもあります。
スポンサーや政治的圧力の影響
オールドメディアは広告収入に大きく依存しているため、スポンサーの意向を完全に無視することは難しいという現実があります。例えば、大手企業がスポンサーになっているテレビ局では、その企業にとって不利な報道を避けるケースもあると言われています。
また、政府や政治団体からの圧力も報道の偏向に影響を与えることがあります。特定の政党や政治家に対する報道の仕方が変わることもあり、報道の独立性が問われる場面もあります。
フレーミングと報道しない自由
メディアは、ニュースの「どの部分を強調するか」を決めることで、視聴者の受け取り方に影響を与えます。例えば、犯罪事件が発生した際、「犯人の国籍や出身地」を強調するメディアもあれば、「社会背景や原因」を掘り下げるメディアもあります。この「フレーミング(枠付け)」によって、視聴者の印象が変わることがあるのです。
また、意図的に「報道しない自由」を行使することもあります。つまり、特定のニュースを意図的に扱わないことで、社会の関心をそらすことも可能なのです。
ニューメディアのメリット
近年、インターネットの普及により、ニューメディアが私たちの情報収集の主流となりつつあります。オールドメディアと比べて、スピーディーな情報提供や多様な視点を得られる点が魅力です。
情報の即時性が高い
ニューメディアは、SNSやニュースサイトなどを通じてリアルタイムで情報を発信できます。災害や事故、政治的な出来事などが発生した際、速報として即座に伝えられるため、情報の伝達速度はオールドメディアを圧倒しています。特に、SNSでは現場の人が直接情報を発信できるため、現場のリアルな状況を素早く知ることが可能です。
多様な視点を取り入れられる
オールドメディアは、限られた記者や編集者の視点で作られますが、ニューメディアでは一般の人々や専門家が自由に情報を発信できます。そのため、特定の視点に偏ることなく、さまざまな角度からの意見や考えを知ることができます。例えば、YouTubeでは専門家が解説する動画が数多くあり、公式メディアとは異なる独自の分析を提供することもあります。
ネットリテラシー養成講座
インターネット上に大量の情報が溢れている昨今、正しい情報とそうでない情報を見分ける力が求められています。
ビズアップ総研のネットリテラシー養成講座では、インターネットから信頼できる情報を見つける技術、SNSとの付き合い方をご紹介します。
ニューメディアのデメリット
一方で、誰もが自由に発信できるニューメディアには、問題点もあります。情報の精度が担保されにくく、誤った情報が拡散される危険性も指摘されています。
フェイクニュースが広まりやすい
ニューメディアでは、誰でも簡単に情報を発信できるため、事実確認が不十分な情報が拡散されるリスクがあります。特にSNSでは、誤った情報が一瞬で広まり、社会に混乱を招くこともあります。例えば、災害時にはデマ情報が拡散され、誤った避難行動をとる人が出ることもあります。
情報の信頼性が低くなりがち
ニューメディアでは、個人のブログやSNS、YouTubeなどで多くの情報が発信されますが、オールドメディアのような厳格な編集・審査プロセスがないため、情報の正確性が保証されていない場合があります。発信者の意図や主観が強く反映されることもあり、客観的な事実と個人的な意見が混同されることがあるため、受け手側のリテラシーが求められます。
オールドメディアとニューメディアの違い
近年では、オールドメディアだけでなく、インターネットを活用したニューメディアも急速に普及しています。では、この二つのメディアにはどのような違いがあるのでしょうか?
項目 | オールドメディア | ニューメディア |
---|---|---|
例 | 新聞、テレビ、ラジオ、雑誌 | SNS、YouTube、ブログ、ニュースサイト |
情報の流れ | 一方向(発信者 → 受信者) | 双方向(発信者 ↔ 受信者) |
更新頻度 | 1日1回(新聞)、週刊・月刊(雑誌) | リアルタイム更新(SNS・Webニュース) |
信頼性 | 編集・審査あり(信頼性が高い) | 誰でも発信可能(玉石混交) |
収益モデル | 広告・購読料 | 広告・サブスクリプション・課金 |
ネットリテラシー養成講座
インターネット上に大量の情報が溢れている昨今、正しい情報とそうでない情報を見分ける力が求められています。
ビズアップ総研のネットリテラシー養成講座では、インターネットから信頼できる情報を見つける技術、SNSとの付き合い方をご紹介します。
オールドメディアとニューメディア、どちらを信じるべきか?
結論として、オールドメディアにもニューメディアにも、それぞれメリットとデメリットが存在します。オールドメディアは信頼性が高い反面、報道の偏向が指摘されることもあります。ニューメディアは自由な発信が可能ですが、フェイクニュースが混在しやすい問題があります。
情報を受け取る際には、複数のメディアを比較し、偏りを見極めることが重要です。例えば、同じニュースを異なる新聞社やテレビ局でチェックし、どのような違いがあるのかを意識することが大切です。また、ニューメディアでは、信頼できる情報源を選ぶよう心がけるべきでしょう。
今後、メディア環境はさらに進化していきます。私たち自身が情報を見極める力を養い、より客観的な視点を持つことが、正しい情報にアクセスするための鍵となるでしょう。