招待状の返信マナーは?ビジネスで恥をかかない書き方を例文付きで紹介

ビジネスシーンにおいて、会合や式典、パーティーなどの招待状を受け取ることは少なくありません。その際に重要なのが「返信のマナー」です。形式を誤ると相手に失礼となり、ビジネス上の信頼を損なう可能性もあります。この記事では、紙とメールそれぞれの場合の返信方法、そしてシチュエーション別の例文をご紹介します。
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目次
招待状の返信マナーの基本
まず押さえておきたいのは、返信のタイミングです。ビジネスで招待状を受け取ったら、できるだけ3日以内、遅くとも1週間以内には返事を出すのがマナーとされています。出席・欠席どちらの場合でも、迅速かつ丁寧に対応する姿勢が大切です。
また、内容に誤解が生まれないよう、文章は簡潔かつ敬意のある表現を使いましょう。特に出欠の回答については、明確に記載することが重要です。
紙の招待状への返信マナー

紙の招待状に返信する場合は、返信用はがきが同封されていることが多くあります。招待状に同封されている返信はがきには、マナーを守った丁寧な記載が求められます。特にフォーマルな場では、言葉の使い方や書き方の細かい配慮が、相手への敬意として受け取られます。以下に、表面・裏面それぞれの記入時に注意したいポイントをご紹介します。
表面(宛名面):敬称の正しい書き換え
返信はがきの宛名には、あらかじめ「〇〇会社 行」「〇〇部 行」などと印刷されていることが多いですが、この「行」は自分宛の言葉であるため、返信の際には以下のように訂正するのがマナーです。
- 「行」→二重線で消し、「御中」と書き換える(会社・部署宛の場合)
- 個人名が記載されている場合は、「行」→「様」に書き換える
このひと手間によって、相手への敬意を示すことができます。
裏面(記入面):表現の丁寧な修正
返信はがきの裏面(出欠確認欄や名前記入欄)では、次のような細やかな気配りが必要です。
ご出席/ご欠席の「ご」を消す
- 「ご出席」「ご欠席」といった印刷がある場合は、自分が選ばない方を二重線で消すのが基本です。
- さらに、自分が出す立場としての謙譲表現に整えるため、選んだ方の「ご」も二重線で消すのが正式です。
「ご芳名」「ご住所」の「ご」や「芳」も消す
- 「ご芳名」→「名」
- 「ご住所」→「住所」
「ご」「芳」には相手を敬う意味が込められており、自分で記入する欄ではその敬語を控えるのが正しい書き方です。二重線で丁寧に消してから、楷書で記入しましょう。
一言メッセージを添えると好印象
形式的な出欠だけでなく、空いている余白に簡単なメッセージを添えると、丁寧で温かみのある返信になります。
例文:
- 「お招きいただき、誠にありがとうございます。当日お目にかかれますことを楽しみにしております。」
- 「ご盛会を心よりお祈り申し上げます。」
- 「あいにく出席がかないませんが、ますますのご発展をお祈りいたします。」
長く書く必要はありませんが、一筆添える気持ちが相手に良い印象を与えます。
メールで返信する際の注意点
最近では、ビジネスにおいてもメールで招待状を送受信するケースが増えています。メールで返信する際にも、基本的なマナーは紙の返信と同様ですが、以下の点に注意しましょう。
- 件名には「ご招待のお礼とご返信」など、内容が分かる表現を入れる
- ビジネスメールとしての形式(宛名、挨拶文、署名など)を守る
- メールの返信もできるだけ早く、遅くとも受信から2〜3営業日以内に
簡潔でありながら丁寧な文体を心がけ、無礼にならないよう気をつけましょう。
シチュエーション別:招待状の返信例

ここでは、よくあるビジネスシーンを想定した返信例を3パターンご紹介します。
式典・記念行事への招待
式典や周年行事などの正式な場では、特にフォーマルな表現を心がけることが大切です。宛名や敬称を正しく記載し、出欠に関わらず感謝の気持ちを丁寧に伝えましょう。出席の場合は意気込みを、欠席の場合は誠意ある理由とお詫びを添えるのが望ましいです。
出席する場合
件名:創立記念式典ご招待の御礼とご出席のご連絡
株式会社〇〇
総務部 □□様
いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の○○でございます。
このたびは、貴社創立〇〇周年記念式典へのご招待を賜り、誠にありがとうございます。
ぜひ出席させていただきたく、ご連絡申し上げます。
当日は何卒よろしくお願い申し上げます。
──────────────────
株式会社△△
営業部 ○○ ○○
メール:xxxxx@xxxx.co.jp
TEL:03-1234-5678
欠席する場合
件名:創立記念式典ご招待へのご返信
株式会社〇〇
総務部 □□様
いつも大変お世話になっております。
株式会社△△の○○でございます。
このたびは、貴社創立〇〇周年記念式典へのご招待をいただき、誠にありがとうございました。
誠に残念ながら、あいにく所用のため当日は出席がかないません。
貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
──────────────────
株式会社△△
営業部 ○○ ○○
メール:xxxxx@xxxx.co.jp
TEL:03-1234-5678
ビジネスパーティー・レセプション
立食形式や交流目的のパーティーは比較的カジュアルな雰囲気ですが、返信にはビジネスとしての礼儀が求められます。出欠をはっきり伝えつつ、出席の場合は参加の意欲を、欠席の場合は「またの機会には」といった前向きな言葉を添えると印象が良くなります。
出席する場合
件名:ビジネスパーティーご招待の御礼とご出席のご連絡
株式会社〇〇
人事部 □□様
平素より大変お世話になっております。
△△株式会社の○○でございます。
このたびは、貴社主催のビジネスパーティーへご招待いただき、ありがとうございます。
当日はぜひ参加させていただきたく、よろしくお願いいたします。
お目にかかれますことを楽しみにしております。
──────────────────
株式会社△△
営業部 ○○ ○○
メール:xxxxx@xxxx.co.jp
TEL:03-1234-5678
欠席する場合
件名:ビジネスパーティーご招待へのご返信
株式会社〇〇
人事部 □□様
いつも大変お世話になっております。
△△株式会社の○○でございます。
このたびは、ビジネスパーティーへのご招待をいただき、誠にありがとうございました。
誠に恐縮ではございますが、当日はあいにく別件の予定があり、出席がかないません。
貴社のご盛会を心よりお祈り申し上げます。
──────────────────
株式会社△△
営業部 ○○ ○○
メール:xxxxx@xxxx.co.jp
TEL:03-1234-5678
社内イベント・懇親会
社内のイベントとはいえ、ビジネスマナーを意識した返信を心がけましょう。形式ばりすぎる必要はありませんが、丁寧語を使い、幹事や関係者への配慮を言葉にすると好印象です。欠席する場合も、無理な理由をつけるのではなく、簡潔に事情を伝えましょう。
出席する場合
件名:社内懇親会のご案内ありがとうございます
〇〇部 □□様
お疲れ様です。○○部の○○です。
このたびは懇親会のお知らせ、ありがとうございます。
当日はぜひ参加させていただきたく、よろしくお願いいたします。
準備など大変かと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
──────────────────
株式会社△△
営業部 ○○ ○○
メール:xxxxx@xxxx.co.jp
TEL:03-1234-5678
欠席する場合
件名:社内懇親会のご招待へのご返信
〇〇部 □□様
お疲れ様です。○○部の○○です。
懇親会へのご案内、誠にありがとうございます。
大変残念ではございますが、当日は所用のため出席が難しく、今回は欠席させていただきます。
またの機会がありましたら、ぜひ参加させていただきます。
──────────────────
株式会社△△
営業部 ○○ ○○
メール:xxxxx@xxxx.co.jp
TEL:03-1234-5678
まとめ:返信のマナーは信頼の第一歩
招待状への返信は、相手に対する敬意や信頼関係を表す大切なビジネスマナーです。紙でもメールでも、迅速・丁寧な対応を心がけましょう。返信内容に迷った際は、過去のやり取りや会社のフォーマットを参考にするのも一つの方法です。
フォーマルなシーンでは些細な一文が印象を左右することもあります。相手の立場に立って考えることが、良好な関係を築く第一歩となります。
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