会社員の雑談力とは?ビジネスにおけるメリットと実践テクニック

会社員にとって雑談力とは、単なるおしゃべりの域を超え、円滑なコミュニケーションをとるための重要なビジネススキルです。上司や同僚、取引先との何気ない会話が信頼関係を育み、商談や会議を成功に導く足がかりになります。この記事では、会社員に必要な雑談力とは何か、雑談力を磨くメリット、実践的な雑談のテクニックをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
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目次
会社員に必要な雑談力とは?

会社員の雑談力とは、日常会話や軽いネタを通じて相手と円滑なコミュニケーションをとるスキルのことです。上司や同僚、取引先とのちょっとした雑談が相手との距離を縮め、信頼関係を築くきっかけになります。
例えば、会議前の日常会話が緊張を和らげることで、意見を言いやすくなることがあります。取引先との商談では、雑談を通じて距離を縮めて交渉を有利に進めることが可能です。会社員に求められる雑談力とは、単なる会話術にとどまらず、業務をスムーズに進めるために必要不可欠なコミュニケーションスキルのひとつです。
会社員に雑談力が求められる理由とメリット
会社員が雑談力を磨くことにより、どのようなメリットがあるのかを紹介します。
営業・商談で話しやすい雰囲気を作る
商談を成功させるには、話しやすい雰囲気作りが欠かせません。適度な雑談を交えることで緊張感をほぐし、スムーズな会話の流れを作れるのがメリットです。
商談の冒頭で「最近お忙しいですか?」などの軽い話題を振ると、相手との心理的距離を縮めて本題に入りやすくなります。雑談を交えて相手との共通点を見つけることで、信頼関係を構築することが可能です。さらに、雑談のなかでうまく情報収集することで、取引先の課題やニーズを見つけるきっかけにもなります。
雑談を活用して取引先との信頼関係を築くことは、商談をスムーズに進めるだけでなく、長期的なパートナーシップを育む第一歩となるでしょう。
職場内のコミュニケーションを促進する
雑談力を磨くことは、風通しのよい職場作りにも繋がります。雑談でリラックスした雰囲気を作ると、社員同士が気軽に意見交換しやすくなり、お互いの信頼感が高まります。例えば、役職の異なる間柄で打ち合わせをするとき、部下は上司に対して意見を言いづらく感じることがあります。雑談で話しやすい雰囲気を作ることで、率直な意見を引き出しやすくなります。
また、雑談のなかで共通点が見つかると、仕事以外のつながりができます。「最近ランニングを始めました」「週末○○に旅行に行きました」などといった雑談から相手と同じ趣味が見つかると、社員同士の結びつきが強くなり信頼関係が生まれます。雑談によって普段から話しやすい環境を作ることで、会議で新しいアイデアが出たり、ミスや問題が起きたときに報告しやすくなったりと、メンバー内の協力体制を強化できます。
雑談力が高い会社員の特徴
雑談力が高い会社員に共通する3つの特徴についてご紹介します。
会話をスムーズに進める「話す力」がある
雑談力が高い会社員は、会話をスムーズに進める「話し力」が優れているのが特徴です。最近のニュースや趣味に関する話題を豊富に提供し、相手が興味を持ちやすいネタを選んで、会話が途切れないよう工夫しています。
例えば、「先週○○という映画を観ました」という話題が出たら、「どんな内容ですか?」「どういうジャンルの映画が好きですか?」など、相手の反応を見ながら次の質問や話題を投げかけて会話を広げています。また、過去に話した内容を覚えており、「前に映画の話をしていましたよね、最近は何を観ましたか?」のように相手に関心を示すことも得意です。
このように、会話の中で相手に気を配りつつ、心地よい会話の雰囲気を作っています。会話の中心を相手に置くことで、話題を提供しながら相手に安心感を与えられるのが雑談力が高い会社員です。
相手に共感を示す「聞く力」がある
雑談力が高い会社員のもうひとつの特徴は、「聞く力」があることです。相手の話にしっかりと耳を傾けて共感を示す「傾聴」スキルを持っています。
例えば、相手が話をしているときにしっかりと目を見て真剣に話を聞き、適切なタイミングで相槌を打つことで、相手を尊重している姿勢を示しています。自分がよく知らない話題にも積極的に質問をし、より気持ちよく話せる雰囲気を作るのが得意です。
また、話題に合わせた声のトーンや表情、ジェスチャーを使い分けることで、しっかりと傾聴している姿勢を視覚的にも示しています。相手の話に真剣に耳を傾け、共感を示すことができる聞き上手は、雑談力が高い会社員の特徴です。
会社員が雑談力を鍛える方法とテクニック

会社員が雑談力を鍛えるには、雑談のネタを見つけることや会話をうまく広げること、聞く姿勢を身につけることが重要です。実際に雑談力を磨くのに役立つ、実践的なテクニックをご紹介します。
雑談ネタに「木戸に立ちかけし衣食住」を活用する
雑談力を高めるには、話のネタを増やすことが重要です。話題に困ったときは、「木戸(きど)に立(た)ちかけし衣食住」という会話のヒントを参考にしてみましょう。
- き:気候
- ど:道楽
- に:ニュース
- た:旅
- ち:知人
- か:家庭
- け:健康
- し:仕事
- 衣:衣服
- 食:食事
- 住:住まい
例えば気候の話をする際には「今日は雨ですね。私は雨の日は、自宅で映画を見たり本を読んだりするのが好きなんです。○○さんは雨の日はどんな風に過ごしてますか?」のように、話題が続きやすいように自己開示をしつつ質問するのがおすすめです。
また、趣味や嗜好に関する質問は、相手との距離を縮めやすいのがメリットです。「私は最近カフェ巡りにはまっていて、この間は駅前の新しいカフェに行きました。○○さんは週末はどう過ごしてますか?」のように、相手の趣味を引き出しつつも、自分の趣味や地域の話題を出すことで話を展開しやすくなります。
ただし、家族や年齢、容姿などのプライベートな話題は、相手から話題が出るまでは避ける方がベター。また、宗教や政治などの賛否が分かれる話題、暗いニュースやネガティブな話題は避けるようにしましょう。
オープンクエスチョンで会話を広げる
雑談をするときに会話を広げていくには、相手への質問をオープンクエスチョンにするよう意識しましょう。質問の方法には、次のようなクローズドクエスチョンとオープンクエスチョンの2種類があります。
- クローズドクエスチョン:「はい」「いいえ」など限られた選択肢で答える質問
- オープンクエスチョン:相手に自由に回答してもらえる質問
「今週末どこに行きますか?」「○○についてどう思いますか?」などの回答方法を限定しない質問がオープンクエスチョンです。回答の幅が広くて詳しい情報を引き出せるため、次の話に繋げやすいのが特徴です。ただし、オープンクエスチョンは相手に回答を考える負担をかけてしまうため、クローズドクエスチョンと組み合わせながら使うのがおすすめです。
傾聴姿勢と会話の「さしすせそ」で好印象を与える
相手の話を聞くときには、傾聴する姿勢と相槌が重要です。相手の話をさえぎらずにしっかり話を聞き、相手の方に身体を向けるようにしましょう。「でも」「いや」などの否定的な言葉を使わず、相手が話したいことを最後まで話してもらうのが大切です。
相手の話に耳を傾けているときには、適度な相槌を打ちながら肯定的な言葉を交えるのがおすすめ。相手に好印象を与えつつ話を聞くには、会話で使える「さしすせそ」のテクニックが有効です。
さ:さすがですね、最高ですね
し:知りませんでした
す:すごいですね、素晴らしいですね
せ:センスがありますね
そ:そうなんですね、その通りです、尊敬しています
「さしすせそ」は話し相手を褒めることで、気分を高めやすくするトークです。「あ、それは知りませんでした、今度試してみます。」「さすが○○さんは業界のことに詳しいですね」のように相槌を打ちながら使ってみましょう。一方で、多用しすぎると逆効果になるため、ここぞというタイミングで気持ちをこめて使うのがおすすめです。
もし返事の言葉がすぐに思いつかない場合は、相手の話を繰り返す「バックトラッキング」が有効です。「新しいプロジェクトが始まって大変で…」に対して「新しいプロジェクトが大変なんですね。」と相手の言葉や表現をそのまま引用して使うことで、相手のペースに合わせてしっかりと聞く姿勢でいることを伝えられます。
まとめ
この記事では、会社員に求められる雑談力とは何か、雑談力の高い会社員の特徴やテクニックをご紹介しました。雑談力を身につけると、社内外でのコミュニケーションを円滑に進めることが可能です。ちょっとした雑談が商談の成立や会議での活発な意見交換に結びつくこともあります。話す力・聞く力を鍛えながら、ビジネスに役立つ雑談力を身につけましょう。
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