社内wikiとは?何のために作る?注意点や作り方を紹介

社内wikiとは?何のために作る?注意点や作り方を紹介

社内Wikiとは、業務マニュアルやナレッジ、社内ルールなどを共有・蓄積するための社内専用の情報共有ツールです。誰もがアクセスでき、必要な情報をすぐに引き出せる環境を整えることで、業務の効率化と属人化の防止を図ることができます。

IT企業を中心に普及していますが、近年では業種を問わず、組織のナレッジマネジメントを重視する企業で活用が進んでいます。

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目次

社内Wikiの活用事例

業務マニュアルの共有

社内Wikiは、新入社員や異動者への業務引き継ぎに大きな効果を発揮します。業務フローや使用ツールの操作手順、トラブル時の対処法などをマニュアルとして蓄積しておくことで、教育コストを削減し、誰でも同じ手順で作業できる環境を整えることができます。また、紙やPDFでは難しかった定期的な更新も、Wikiであれば簡単に反映できるため、常に最新の情報にアクセスできるというメリットもあります。

Q&Aや社内FAQの蓄積

社内でよくある質問や問い合わせ内容をQ&A形式で整理しておくことで、担当者の対応負担を軽減できます。「どこに何を申請すればいいのか」「システムに不具合が起きた時の対応はどうするのか」など、日常業務で繰り返される質問を蓄積することで、対応の属人化を防ぎ、社内の情報格差も解消されます。また、部署をまたいだ情報共有にも有効で、ナレッジベースとしての活用が広がります。

プロジェクト履歴の共有

社内Wikiは、プロジェクトごとの計画書や進捗、成果物、反省点などを時系列で記録していく場としても活用できます。一度完了した業務も、Wikiに記録を残しておくことで、類似案件に取り組む際の参考資料として再利用できるのが大きな強みです。さらに、過去の失敗や改善ポイントを組織全体で共有することで、同じミスを繰り返さない「組織の学習」が可能になります。新人や異動者も過去の経緯を簡単に把握できるため、引き継ぎもスムーズです。

社内Wikiを作るメリット

社内Wikiを導入する最大の利点は、情報の一元管理組織内のナレッジ共有が可能になる点です。

情報が分散していると、必要な資料を探すのに時間がかかりますが、社内Wikiに集約することで、誰でも簡単にアクセスできるようになります。特にリモートワークが増える中で、非対面でも情報共有できる仕組みは重要です。

また、業務の属人化を防ぐことも大きなメリットです。業務のやり方が一部の社員しかわからないという状況を防ぎ、チーム全体の生産性向上に寄与します。

社内Wikiを作るデメリット・注意点

一方で、運用が定着しなければ形骸化するというデメリットもあります。最初は意気込んで情報を登録しても、更新されないまま古い情報が残ってしまうと、かえって混乱の元になります。

また、「誰が書くか」「どう更新するか」といった運用ルールが不明確な場合、情報が偏ったり更新が滞ったりする可能性もあります。

そのため、定期的なメンテナンスや担当者の明確化が不可欠です。さらに、検索性や構成に工夫がないと、情報が埋もれて使われなくなるリスクもあります。

社内Wikiの作り方

社内Wikiを効果的に機能させるには、以下のようなステップで準備を進めることが重要です。

1. チーム立ち上げ

まずは、社内Wikiの目的や運用方針を明確にするための担当チームを立ち上げることが重要です。理想は「全員で更新するWiki」ですが、実際には責任の所在が不明確になると放置されがちです。そのため、初期構築を担うリーダー役と、定期的に内容をチェックする運用担当者を明確にしておきましょう。

また、更新頻度の目安や、誤記載があった場合の修正フロー、内容の承認ルールなども決めておくことで、運用トラブルを未然に防げます。必要に応じて、部署ごとに分担しながら責任範囲を明示しておくとスムーズです。

2. ツールを決める

次に、どのツールで社内Wikiを運用するかを選びます。代表的な選択肢には以下のようなものがあります。

  • Notion:自由度が高くUIが洗練されているが、社内でのITリテラシーが問われる場合も
  • Google Docs:導入のしやすさとリアルタイム編集が強みだが、構造化が難しい
  • SharePoint:Microsoft 365環境で連携性が高く、権限管理や検索性に優れる

社内Wikiに使用するツールの選定は、運用のしやすさに直結します。導入のしやすさや社内ITリテラシー、セキュリティ要件に合わせて最適なものを選びましょう。

たとえば「Notion」は自由度が高く、見た目も美しいため編集のしやすさがありますが、操作に慣れていない社員が戸惑うこともあります。「Google Docs」はシンプルで誰でも使いやすい反面、ドキュメントが散らばりやすく、階層構造が整理しづらい面もあります。「SharePoint」はMicrosoft 365と連携でき、アクセス制限や検索性が高いため、大規模組織や情報管理が重要な業種には特に適しています。既存のIT環境との相性も検討材料にしましょう。

3. テンプレートや目次の整備

Wikiは複数の人が編集するため、統一された書き方や構成が求められます。テンプレートを整備しておくことで、誰がどのように情報を記録しても一定の品質が保たれます。たとえば、「概要」「手順」「注意点」「更新履歴」などの見出し項目を用意し、それに沿って入力するルールを設けると読みやすくなります。

さらに、全体のカテゴリ構成や目次ページを最初に用意しておくと、利用者が必要な情報にすぐたどり着けるようになります。ナビゲーション性の高い設計を意識することで、情報の価値が何倍にも高まります。

社内Wiki テンプレート例(クリックで表示)

ページタイトル:〇〇業務の手順書

概要:
この業務の目的や全体像を簡潔に記載します。
(例:営業部における新規顧客対応フローの手順を示す。)

担当部門/担当者:
担当部門:〇〇課
問い合わせ先:△△さん(内線123)

使用するツール/資料:
使用ツール:Salesforce、Excel
関連資料:マニュアル〇〇(添付リンク)

手順:
1. 顧客情報の確認(Salesforceで案件を検索)
2. 初回アプローチ(テンプレートメールを送信)
3. 経過管理と記録(週次で案件ステータスを更新)
※各ステップごとに注意点や画面キャプチャがあるとベター

よくある質問・トラブル対応:
・A社の担当が不在の場合 → ○○の手順で再アプローチ
・入力ミスをしたときは → 管理者へ連絡し、修正依頼

更新履歴:
・2024/01/10 初版作成(山田)
・2025/02/03 業務フロー変更に伴い改訂(佐藤)

社内Wiki 目次例(クリックで表示)

業務マニュアル:
– 受注処理の流れ
– 顧客対応マニュアル(初回~契約まで)
– クレーム対応手順

社内手続き:
– 勤怠申請・休暇取得方法
– 出張申請・精算方法
– 稟議書の起案手順

情報システム関連:
– パスワード再発行の手続き
– 社内ネットワークの接続手順
– PC・ソフトウェアの貸出ルール

社内FAQ/Q&A:
– 問い合わせ先一覧
– よくある質問(入社後編)
– 新入社員向けサポート情報

4. 運用開始

初期の整備が完了したら、いよいよ実際の運用を始めましょう。ただし、「作っただけ」では使われません。関係者に向けてWikiの目的や利用ルールをしっかり周知し、アクセス方法や編集方法もレクチャーしておく必要があります。

最初は使いづらさや混乱もありますが、フィードバックをもとに改善を繰り返すことが大切です。また、更新が習慣化されるように、定例会での共有や更新担当の交代制など、運用を継続できる工夫も導入しましょう。定着するまでが最大のハードルです。

5. 定期的なメンテナンス

社内Wikiは「作ったら終わり」ではなく、情報の鮮度と正確性を保つためのメンテナンスが不可欠です。特に、業務フローの変更や組織改編などがあった際には、速やかに該当ページを更新する必要があります。担当者が定期的に更新状況を確認し、情報が古くなっていないかをチェックする体制を構築しましょう。

更新履歴の記録や変更通知の活用も効果的です。また、利用者からのフィードバックを受け付ける仕組みを設けておくと、現場の声を反映した運用改善が行いやすくなります。維持管理こそが、社内Wikiを「生きた情報資産」として機能させる鍵です。

社内WikiにはSharePointがおすすめ

Microsoft 365 SharePointの活用方法 | e-JINZAI Lab

Microsoft 365を導入している企業であれば、社内Wikiの構築にSharePointを活用するのがおすすめです。

SharePointは、情報の分類・検索・閲覧権限の管理がしやすいのが特徴で、大企業でも多く採用されています。また、TeamsやOutlookなど他のMicrosoftツールとの連携もスムーズで、業務の中に自然に情報共有を組み込むことができる点が強みです。

SharePoint活用を学ぶeラーニング

「SharePointを使いこなせるか不安」「何から手をつければよいかわからない」という方には、e-JINZAI Labのeラーニング研修「Microsoft 365 SharePointの活用方法」が役立ちます。

この研修では、SharePointの基本操作から、サイト作成・コンテンツの整理・閲覧権限の管理など、実践に役立つスキルが体系的に学べます。動画で手順を確認しながら進められるため、ITに不慣れな方でも安心して取り組めます。

社内Wiki運用を成功させたい企業にとって、実務に直結した研修でスキルを習得することは、大きな武器になります。

まとめ

社内Wikiは、組織内の知見や手順、業務ノウハウを共有・蓄積する重要なインフラです。作り方のステップを押さえ、適切なツールとルールを整備することで、情報共有の効率を大きく高めることができます。

特にSharePointを活用することで、業務フローと一体化したナレッジ管理が可能になります。eラーニングを活用して操作方法を習得し、チーム全体で活用できる社内Wiki運用体制を整えていきましょう。