ジョブ型人事制度とは?仕事内容ベースで考える新しい働き方と評価の方法

ジョブ型人事制度とは?仕事内容ベースで考える新しい働き方と評価の方法

KEYWORDS

「仕事の内容と関係ない評価をされている気がする」
「成果を出しているのに、年功序列で評価されない…」

こんな声をよく聞きませんか?

最近、多くの企業が注目しているのが、「ジョブ型(がた)の人事制度」です。
これまでの「メンバーシップ型」とはちがい、仕事内容=ジョブに着目して人事を行う制度です。

この記事では、

  • ジョブ型人事制度とはどういうものか?
  • どんなメリットがあるのか?
  • 気をつけるべき課題とは?
  • 導入するにはどうすればいい?

といった内容を、分かりやすく解説していきます。

目次

ジョブ型人事制度ってなに?

「人」ではなく「仕事」を中心に考える制度

これまで多くの日本企業では、「人ありき」の考え方=メンバーシップ型が中心でした。これは、「この会社にいるから、いろんな仕事をしてもらう」という考え方です。

一方、ジョブ型は「人」ではなく「仕事の内容」を中心に考える制度です。

例えば:

  • 「この仕事にはこのスキルが必要」
  • 「このポジションは年収◯◯万円」
  • 「この仕事に合う人を社内外から探す」

というように、役割や仕事内容をはっきりさせて、その内容に合った人を配置・評価するのがジョブ型の特徴です。

海外と日本の人事制度の違いって?

ジョブ型が海外で広く使われている理由のひとつは、働き方や考え方の文化の違いにあります。
ここで、欧米と日本の人事制度のちがいを比べてみましょう。

【欧米(ジョブ型中心)】

  • 仕事の内容や責任がはっきり決まっている
  • 「この仕事をする人はこのスキルが必要」と明文化されている
  • 採用はスキルや経験をもとに行う(新卒よりも中途採用が主流)
  • 給与は仕事内容や成果によって決まる
  • 「できること」が変わらなければ、仕事も給与も大きく変わらない

つまり、欧米では「この人にこの仕事を任せる」と役割ベースで考える文化が根づいています。
働く人も、「仕事に対する対価(たいか)=給与」として、自立したプロとして評価されることを重視します。

【日本(メンバーシップ型が中心)】

  • まず「会社に入る」ことがスタート(新卒一括採用が主流)
  • いろいろな部署を経験しながら会社に合う人材に育てていく
  • 仕事の内容はざっくりしていて、臨機応変に対応するのが求められる
  • 給与は年齢や勤続年数、会社への貢献度などで決まる
  • 異動・転勤もあり、「人に仕事を合わせる」ケースが多い

日本は、「この人には将来いろんな仕事をしてもらいたい」と考える傾向が強く、長く働くことを前提とした制度が多いのが特徴です。

どうして今、日本でジョブ型が注目されているの?

これまでの日本のやり方は、「会社に長くいれば評価される」「年齢が上がれば給料も上がる」ような仕組みでした。

でも最近は、

  • テレワークで上司の目が届きにくくなった
  • 若手社員が「実力で評価されたい」と考えるようになった
  • 採用の場面でも仕事内容と条件をはっきりさせる必要がある

などの理由から、「どんな仕事をして、どんな成果を出したのか」が重要になってきたのです。

その結果、仕事内容に合わせて評価や報酬を決める「ジョブ型」の考え方が必要になってきたというわけです。

このように、文化や価値観の違いから生まれた制度の差がありますが、今の時代に合った柔軟な組織運営のためには、「良いところをうまく取り入れる」ことが大切です。ジョブ型制度を取り入れるなら、日本の会社に合うようにカスタマイズして導入する工夫が求められます。

ジョブ型人事制度のメリット

仕事内容と評価がつながる

ジョブ型では、「どんな仕事をして、どんな成果を出したか」をもとに評価がされます。そのため、「がんばった人」「成果を出した人」が正しく評価されやすくなります。

年功序列ではないので、年齢に関係なくチャンスがあるという点も、若手社員にとっては魅力的です。

専門性を高めやすい

仕事が明確に決まっているため、
「この分野のプロになるには、こういうスキルが必要」といった目標を立てやすくなります。

社員自身も、「自分の強みを伸ばす」ことに集中できるので、専門性の高い人材が育ちやすくなります。

採用しやすく、ミスマッチが減る

たとえば、ジョブ型で「マーケティング担当/年収600万円/業務内容は〇〇」という求人を出せば、仕事の中身と報酬が明確になっているため、応募者とのギャップが起きにくいです。

会社にとっても、必要なスキルや経験を持った人をピンポイントで採用できるというメリットがあります。

働き方の多様化に対応しやすい

テレワークやフリーランスなど、働き方が多様になっている今、
「何をするか」がはっきりしていれば、どこで・いつ働くかに縛られずに仕事が進められます。こうした柔軟な働き方を支える点でも、ジョブ型は注目されています。

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ジョブ型の課題

良いことづくしに見えるジョブ型人事制度ですが、注意すべき課題もあります。

仕事内容を正確に定義するのが大変

ジョブ型を成功させるには、「ジョブディスクリプション(職務記述書)」というものを作らなければなりません。これは、「この仕事はどんな内容で、どんなスキルが必要か、責任範囲はどこまでか」を文章にしたものです。

しかし、これをすべての職種・ポジションに対して正確に作るのは大変な作業です。

柔軟な異動・育成がしにくくなることも

「あなたの仕事はここまで」と区切ってしまうと、

  • チームで助け合う
  • 他の仕事を覚えて育つ

といった、日本企業らしい強みが出にくくなることもあります。

「これは私の仕事じゃない」と線を引いてしまう文化ができると、協力や柔軟性が失われてしまいます。

評価が難しくなるケースも

ジョブ型にしても、「どの仕事を、どのように評価するか」をはっきりさせなければ、結局はあいまいな評価になってしまいます。

特に、目に見える数字だけでなく、

  • チームへの貢献
  • 顧客対応の丁寧さ

など、定量化しにくい仕事をどう評価するかは大きな課題です。

社内の納得感を得るまでに時間がかかる

「いままでの制度とまったく違う」ため、社員からは「何が変わるの?」「評価や給与はどうなるの?」といった不安の声が出やすくなります。制度設計だけでなく、社員への説明や理解づくりに時間をかける必要があります。

ジョブ型制度、導入にはどんな準備が必要?

ジョブ型制度は、「形だけ導入してもうまくいかない」ケースが多いです。本当に機能する制度にするためには、以下のような丁寧な準備が欠かせません。制度の目的から評価方法、社内への浸透まで一貫性を持たせることが成功のカギとなります。

目的を明確にする

「なぜジョブ型にしたいのか?」を明確にしないまま制度をつくると、ただの「肩書き変更」や「説明不足の改革」になってしまいます。
たとえば、成果を正しく評価したいのか、優秀な人材を採用・定着させたいのか、多様な働き方に対応したいのかなど、目的をはっきりさせることで、制度設計の方向性もブレずに進められます。目的と制度をリンクさせることが第一歩です。

ジョブディスクリプションの作成

全てのポジションについて、

  • 業務内容
  • 必要なスキル
  • 成果の指標
  • 責任範囲

を明文化しておく必要があります。これが評価・報酬・採用・育成の軸になるからです。
ジョブディスクリプションが曖昧なままだと、制度が形骸化しやすく、社員が自分の役割や期待値を正しく理解できないという問題が生じます。

評価制度との連動設計

ジョブ型にしても、「どうやって成果を測るか」「何を見て昇格・昇給を決めるか」が不明確だと、社員は納得できません。職務内容に合った評価制度をセットで設計することが重要です。
また、定性的な評価と定量的な評価のバランスを工夫し、職務ごとに最適な基準を設定することで、評価の公平性を高められます。

社内への丁寧な説明・合意形成

ジョブ型は、組織文化を大きく変える取り組みでもあります。制度変更の背景やメリット、評価・報酬の考え方などを、社員一人ひとりが理解・納得できるよう丁寧に説明することが必要です。
さらに、説明会やワークショップを活用し、疑問点をその場で解消できる機会を設けると、スムーズな制度浸透につながります。

導入で迷ったらビズアップに相談を

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  • 自社に合ったジョブ型導入の可否を診断
  • 目的に応じた設計・導入支援
  • ジョブディスクリプションの作成支援
  • 評価制度や報酬制度との連動設計
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まとめ

ジョブ型人事制度は、仕事内容に基づいて人材を評価し、最適に配置するという新しい考え方です。成果に応じた公正な評価を行えることに加えて、専門性を高める環境づくりや、採用・働き方の柔軟性向上にもつながるなど、多くのメリットがあります。

一方で、制度設計には手間がかかり、社員が十分に理解できないまま導入してしまうと混乱を招く恐れもあります。また、業務内容や成果をどう評価するかが難しく、運用段階で課題に直面するケースも少なくありません。

ジョブ型制度を成功させるためには、制度そのものの整備だけでなく、運用面までしっかり向き合うことが欠かせません。「自社にとって最適な制度は何か?」と悩んだときは、専門家の意見を取り入れることで、よりスムーズで効果的な導入が可能になります。

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