どれを受けるべき?TOEICの種類と目的別の学習法

TOEICには複数のテストがあり、社会人の多くが「どれを受ければいいのか」「会社で必要なのはどれか」と迷います。特にキャリアアップや転職を考える場合、時間をかけずに効率よく成果を出したいという気持ちが強く、最初のテスト選びを誤ると遠回りになってしまいます。

本記事では、TOEIC4種類の違いをわかりやすく解説し、目的やレベルに応じた最適な選び方を紹介します。

目次

TOEICの4種類をわかりやすく整理

TOEICは名称が似ているため、仕組みを知らないと違いがとても分かりづらいテストです。ここでは、4種類のテストの特徴についてまとめます。

各テストの特徴

TOEIC Listening & Reading(L&R)
もっとも一般的なTOEICで、企業が英語力の基準として広く採用しています。リスニングとリーディングの2技能を測定し、満点は990点です。ビジネス文書や会話の理解力を中心に評価するため、英語力の「総合的な基礎」を証明できます。転職・昇進・社内評価の基準としても使われているため、社会人が最初に目指すべきテストと言えます。

TOEIC Speaking & Writing(S&W)
スピーキングとライティングの2技能を測定し、実務に必要なアウトプット力がわかります。外国人と話す機会がある職種ではL&Rより重要視されるケースも増えています。特に昇進や配属条件に「S&Wスコア」を設定する企業もあります。

TOEIC Speaking Test
スピーキング能力を単体で測定できるテストです。音読・応答・意見説明など、実務に必要な「英語で話す力」を客観的に評価できます。外資系や商社などでは、L&Rよりも評価が高くなるケースが増えています。

TOEIC Bridge Test
英語初心者や中高生、学び直しの社会人向けの基礎版TOEICです。難易度はL&Rより低く、短い会話や簡単な文章が中心です。いきなりL&Rに挑むのが不安な人に向いており、土台作りに最適です。

テスト名称 測定技能 満点 特徴・用途
TOEIC L&R 聞く・読む 990点 企業の採用・昇進基準として最も広く使われる、英語力の「総合的な基礎」の証明
TOEIC S&W 話す・書く 400点 外国人と接する職種で重視される、実務に必要な「アウトプット力」の測定
TOEIC Speaking 話す 200点 外資系や商社などで高く評価される、「話す力」特化の測定
TOEIC Bridge L&R/S&W 聞く・読む/話す・書く 各100点 初心者や学び名をしの社会人に最適な、土台作りとなる基礎版テスト

目的別・レベル別にどれを受けるべきか

同じTOEICでも、目的や英語レベルによって選ぶべきテストは大きく変わります。ここでは、転職・初心者・実務型など、代表的なケース別に最適解を示します。

キャリアアップ・転職を目指す場合

企業が採用時に最も参考にするのはTOEIC L&Rです。特に600〜700点付近は「最低限の英語読解・会話理解ができるライン」として設定されていることが多く、まずはL&Rを受けるのが王道です。
ただし、実務で英語を話す機会がある職種や外資系企業では、L&Rだけでは不十分とされ、スピーキング力の証明が求められる場面が増えています。そのため、L&Rに加えてSpeaking Testを受けることで、他の応募者との差別化が容易になります。

英語初心者や学び直しの社会人

英語学習のブランクが大きい場合、いきなりL&Rを受けるとスコアが伸びず挫折する可能性があります。そのような人には、TOEIC Bridgeが適しています。
Bridgeは簡単な内容ですが、短い英文を正確に理解する基礎力を鍛えるのに向いており、文法の穴や語彙の不足を把握しやすい点が特徴です。Bridgeを一定レベルまで伸ばしてから他のテストへ進むと、成長スピードが大きく変わります。

英語を使う実務担当者(営業・企画・エンジニアなど)

「英語で話す場面がある」「海外顧客との会議がある」などの職種では、Speaking Testの重要度が高くなります。
実務では読む・聞く力だけでなく、短い時間で適切に反応する力が求められるため、L&Rよりも話す能力を証明できるスコアの方が価値を持つケースがあります。また、上司や評価者は、L&R900点よりも「実際に話せるか」を重視する流れが強まっています。

昇進・社内評価に英語が必要な場合

企業の昇進基準に「L&R○点以上」や「Speakingのスコア必須」が設定されているケースが増えています。特に管理職候補では、外国人社員とコミュニケーションを取る必要があるため、Speaking Testが昇進条件に加わる事例もあります。
自社の基準が明確なら、それに合わせて受験することが最も効率的です。

eラーニングを使った最短ルートの学習

TOEICは独学でも学べますが、社会人が限られた時間でスコアを伸ばすにはeラーニングの活用が非常に効果的です。特に、「テキストを読んでも解説が頭に入ってこない」「どこから手をつければいいか計画が立てられない」という場合、体系化されたオンライン講座を取り入れることで、学習の質が劇的に変わります。

eラーニングが最適な理由

eラーニングの最大の強みは、「目と耳の両方を使って理解スピードを上げられること」「学習のペースメーカーになること」です。

テキストだけの学習は単調になりがちですが、動画講義であれば、講師が「なぜその正解になるのか」という解法プロセスを黒板やスライドを使って視覚的に解説してくれます。これにより、複雑な文法や長文の構造も直感的に理解でき、テキストを読む時間の何倍もの速さで重要ポイントを吸収できます。

また、カリキュラムがあらかじめ決まっているため、「今日は何をしよう」と迷う時間がゼロになります。スキマ時間にスマホやPCを開くだけで学習がスタートできる環境は、継続が難しい社会人にとって最強の武器となります。

目的別に使い分ける:インプット強化とアウトプット実践

TOEICには「聞く・読む(L&R)」「話す・書く(S&W)」という異なるスキルが求められます。eラーニングを活用する際も、目指すテストの種類によって選び方や活用ポイントを変えることが最短ルートへの鍵です。

1. 基礎とスコアを固める「インプット型」学習(L&R向け)
L&Rでスコアを伸ばすためには、単語・文法・解法テクニックを網羅的にインプットする必要があります。

  • 活用ポイント
    • 「解法パターン」を動画で見る: Part5(短文穴埋め)などの文法問題は、理屈を動画で教わると応用が効きやすくなります。
    • プロの解説で「躓き」をなくす: 独学では解説を読んでも理解できない箇所で止まってしまいますが、講義形式なら「つまずきやすいポイント」を先回りして解説してくれるため、スムーズに進められます。

2. 実務で使える力を磨く「アウトプット型」学習(S&W向け)
S&Wは、ただ知識を入れるだけでなく、「型(テンプレート)」を覚えて実際に使うトレーニングが必須です。

  • 活用ポイント
    • 「模範解答」を徹底的に真似る: 自己流で話すのではなく、動画講義で提示される「高評価を取りやすい構成」や「使えるフレーズ」をそのまま吸収します。
    • 論理的な構成力を鍛える: 英語で意見を述べるには「結論→理由→具体例」というロジックが必要です。eラーニングではこの構成の作り方を体系的に学べるため、ビジネスメールや会議の発言にも直結するスキルが身につきます。
    • 声に出して定着させる: 動画の後に続いてリピートするなど、実際の口の動きや発音を確認しながら進めることで、実践力が定着します。

このように、L&Rで「英語の基礎体力」をつけ、S&W対策で「発信する技術」を学ぶというように、目的に応じたeラーニング講座をうまく組み合わせることで、無駄なく最短距離で目標へ近づくことができます。

TOEICスコアを活かすための考え方

TOEICスコアは取るだけでは価値になりません。
重要なのは「どのスコアを、どの場面で使うか」を明確に設計することです。たとえば、L&Rの高得点は読解力と聞き取り能力を示しますが、実務ではスピーキング力を求められることが多く、Speaking Testのスコアがあると評価が一段上がります。
また、資格単体ではなく、業務スキルとの組み合わせで価値が高まるケースもあります。営業であればプレゼン技術とスピーキング力、ITなら技術英語と読解力など、役割に合わせて活用するとキャリアの可能性が広がります。

まとめ

TOEICには4種類のテストがあり、それぞれ目的や難易度が異なります。一般的な転職・昇進にはL&Rが最適ですが、実務で英語を使う職種ではSpeaking Testが強力な武器になります。初心者はBridgeで基礎を固めると効率的です。
また、学習を最短化するうえではeラーニングの活用が効果的で、スキマ時間の積み上げや弱点分析により、社会人でも確実に成果を出せます。

自分の目的とレベルに合わせて正しいテストを選び、効率よく学べば、TOEICはキャリアの可能性を広げる心強い支えになります。