工業簿記の苦手克服!eラーニングで学ぶ原価計算の見える化
KEYWORDS 工業簿記
日商簿記2級の学習を始めた途端、多くの方がぶつかる壁があります。それが「工業簿記」です。3級で学んだ商業簿記はスムーズに理解できたのに、工業簿記に入った途端に「計算が合わない」「何をしているのかイメージできない」と苦手意識を持ってしまうケースは少なくありません。
また、製造業の経理部門に配属された実務担当者にとっても、原価計算は非常に奥が深く、単なる暗記では太刀打ちできない分野です。材料が製品に変わっていくプロセスを数字で追うには、独特の考え方が必要になるからです。
この記事では、なぜ工業簿記が難しく感じるのか、その原因を明確にした上で、効率的に「使える原価計算スキル」を身につけるための学習方法をご紹介します。特に、独学ではイメージしづらい「工場のモノの流れ」を視覚的に理解できるeラーニングの活用は、あなたの学習効率を劇的に高めてくれるはずです。
日商簿記検定 2級取得講座 ~工業簿記~
動画数|15本 総再生時間|320分
工業簿記が難しいと感じる方へ。日商簿記2級や実務で必須の原価計算を、eラーニングで効率的に学ぶ方法を解説。独学では見えにくい「原価の流れ」を視覚化し、標準原価計算やCVP分析まで網羅した全14回の講座内容を紹介します。
動画の試聴はこちら目次
- なぜ工業簿記は難しいのか?商業簿記との決定的な違い
- 独学の限界を突破する「視覚的」学習アプローチ
- 実務と試験の両方に対応するカリキュラム内容
- 単なる資格取得で終わらせない!現場で活きる原価管理能力
- まとめ:効率的な学習で工業簿記を武器にする
なぜ工業簿記は難しいのか?商業簿記との決定的な違い
簿記2級の合否を分けると言っても過言ではない工業簿記。商業簿記との最大の違いは、取引の相手と場所にあります。
仕訳よりも「計算プロセス」が重視される理由
商業簿記は、主に「外部」との取引を記録します。商品を仕入れ、それを顧客に販売する。この一連の流れは具体的で、日常生活の感覚と近いためイメージしやすいのが特徴です。学習の中心も「仕訳」を正しく切ることに置かれます。
一方、工業簿記の舞台は、会社(工場)の「内部」です。材料倉庫から製造ラインへ、そして完成品倉庫へとモノが移動しているだけで、外部との売買はまだ発生していません。 ここで重要になるのは、仕訳そのものよりも「いくらかかったか」を算出する計算プロセスです。材料費、労務費、経費をどのように製品に割り振るか(配賦するか)という計算ルールこそが学習の核心であり、多くの人がつまずくポイントでもあります。
工場の流れ(モノの動き)が見えないと計算は合わない
工業簿記で点数が伸び悩む最大の原因は、計算式だけを丸暗記しようとすることにあります。「シュラッター図」などの公式を覚えても、どの数字をどこに当てはめるべきかが分からなければ正解にはたどり着けません。
工業簿記の本質は「モノの流れ(勘定連絡)」を追うことです。
- 材料を購入する
- 材料を消費して製造ラインに乗せる(仕掛品)
- 工員が作業し、電気代がかかる(労務費・経費の投入)
- 製品が完成する(製品)
- 製品が売れる(売上原価)
この一連のプロセスが頭の中で映像として再生できていないと、例えば「月末仕掛品原価」を求める際に、どの段階の数値を拾えばよいのか迷ってしまいます。テキストの文字情報だけでは、この動的なプロセスを捉えきれないのが独学の限界と言えるかもしれません。
独学の限界を突破する「視覚的」学習アプローチ
複雑な原価計算をマスターするための近道は、テキストを読み込むことではなく、まずは「工場の動き」を視覚的に理解することです。
原価の流れを「図解」で捉える重要性
製造業におけるお金の流れは、水が流れるように工程を移動していきます。この流れ(勘定連絡図)を理解していれば、今計算しているのが「作りかけのモノ(仕掛品)」なのか「完成したモノ(製品)」なのかが一目でわかります。
例えば、以下のようなイメージを持てているかどうかが、理解度を大きく左右します。
消費した額を計算
「いくら使った?」
各製品に割り振る
「配賦(はいふ)」
原価を分ける
「製品原価の確定」
このように、段階を追って原価が集計されていく様子をイメージできるかどうかが重要です。しかし、書籍のテキストだけでは、この「矢印の動き」を感じ取ることが難しく、どうしても断片的な暗記になってしまいがちです。
eラーニングなら「工程ごとの原価推移」が動画でわかる
そこで推奨したいのが、eラーニングによる学習です。動画講義であれば、講師が図を書きながら解説してくれるため、モノとカネの動きを動的に追体験できます。
特に、製造業の現場を知り尽くした講師による解説は、「なぜここでこの計算が必要なのか」という背景まで掘り下げてくれるため、記憶への定着率が段違いです。複雑な部門別計算や、苦手とする人が多い総合原価計算も、動画で工程の流れを見ながら学ぶことで、「難解な数式」から「当然の計算手順」へと変わっていくはずです。
次章では、実際にどのようなカリキュラムで学べば、試験合格だけでなく実務でも通用するスキルが身につくのか、具体的な講座内容を見ながら解説していきます。
実務と試験の両方に対応するカリキュラム内容
工業簿記をマスターするためには、基礎から応用まで、体系立てて学ぶことが不可欠です。本講座では、日商簿記2級の出題範囲を網羅しつつ、実務での原価管理にも役立つ全14回のカリキュラムを提供しています。
ここでは、各回の学習テーマと、そのポイントを一覧でご紹介します。特に後半の「総合原価計算」や「標準原価計算」は試験での配点も高く、実務でも頻出の論点です。
| 回数 | 講義タイトル | 主な学習内容 |
|---|---|---|
| 第1回 | 原価計算の基礎 | 原価の一般概念、原価計算の目的 |
| 第2回 | 原価計算の費目別計算 | 原価の分類、計算手続き、製造原価と総原価 |
| 第3回 | 材料費(1) | 材料消費価格の計算、材料費の分類 |
| 第4回 | 材料費(2) | 材料費計算の演習・例題 |
| 第5回 | 労務費・経費 | 労務費・経費の分類、賃金の計算方法 |
| 第6回 | 部門別計算-第1次集計 | 製造部門と補助部門への費用配分 |
| 第7回 | 部門別計算-第2次集計 | 補助部門費の配賦計算(直接配賦法など) |
| 第8回 | 個別原価計算 | オーダーメイド製品の原価集計、指図書 |
| 第9回 | 総合原価計算(1) | 大量生産の計算、仕損と減損の処理 |
| 第10回 | 工程別総合原価計算 | 複数工程にまたがる原価の流れ |
| 第11回 | 組別総合原価計算 | 異なる種類の製品を製造する場合の計算 |
| 第12回 | 等級別総合原価計算 | サイズ違いなどの製品計算(等価係数) |
| 第13回 | 標準原価計算(1)・(2) | 目標原価の設定、原価差異分析(有利・不利差異) |
| 第14回 | CVP分析 | 損益分岐点分析、利益計画の策定 |
単なる資格取得で終わらせない!現場で活きる原価管理能力
このカリキュラムは、単に試験に合格するためだけの知識提供ではありません。現場の経理担当者が直面する課題を解決できるような実践的なスキル習得を目指しています。
2級合格のカギ「標準原価計算」と「差異分析」
カリキュラムの第13回で扱われる「標準原価計算」は、多くの受験生が苦手とする分野です。しかし、実務においては最も重要な管理手法の一つです。
あらかじめ設定した「目標となる原価(標準原価)」と、実際にかかった「実際原価」を比較し、そのズレ(差異)がなぜ発生したのかを分析します。「材料を使いすぎたのか?」「作業効率が悪かったのか?」「材料の仕入価格が高騰したのか?」。この原因を特定する「差異分析」ができるようになると、工場長や経営層に対して具体的なコスト削減の提案が可能になります。
本講座では、複雑な差異分析の図解も動画で丁寧に解説するため、丸暗記ではなく理屈で計算式を理解できるようになります。
CVP分析(損益分岐点)で経営判断をサポートする
最終回の第14回で学ぶCVP(Cost-Volume-Profit)分析は、管理会計のハイライトとも言える分野です。「あと何個売れば黒字になるのか」「目標利益を達成するにはいくら売り上げればよいのか」といった、経営の意思決定に直結する数字を算出します。
工業簿記を学ぶということは、単に帳簿をつけるだけでなく、こうした未来の経営判断をサポートする武器を手に入れることでもあります。
まとめ:効率的な学習で工業簿記を武器にする
工業簿記は、商業簿記とは異なる独特の思考回路を必要とします。独学でテキストとにらめっこをしていても、工場内のモノの流れが見えてこなければ、いつまでたっても苦手意識は消えません。
しかし、eラーニングを活用して「原価の流れ」を視覚的に捉え、正しい順序で学習を進めれば、工業簿記は決して難しいものではありません。むしろ、数字がパズルのように組み合わさっていく面白さを感じられるはずです。
- 視覚的理解: 動画で工場のプロセスをイメージする
- 体系的学習: 費目別から総合原価計算、CVP分析へとステップアップする
- 実務への応用: 試験合格だけでなく、コスト管理や利益計画に役立てる
ぜひ、この機会に体系的なカリキュラムで工業簿記を学び直し、資格取得とその先にある実務での活躍を目指してください。

