ExcelのVLOOKUP / XLOOKUP / HLOOKUPの使い方と実用例

Excelでは、大量のデータを簡単に検索し、関連する情報を取得できる「検索関数」が超便利です。中でもVLOOKUP、XLOOKUP、HLOOKUPは特に使用される機会が多く、次のような最適な使い方があります。
この記事では、それぞれの使い方や実用例を詳細に解説します。

目次

• VLOOKUP (垂直検索)
  • 構文
  • 例題
  • 注意点
• XLOOKUP (柔軟な検索)
  • 構文
  • 例題
  • XLOOKUPの利点
  • 応用例
• HLOOKUP (水平検索)
  • 構文
  • 例題
  • HLOOKUPの利点
  • 注意点
• VLOOKUPとXLOOKUPの比較
• まとめ

VLOOKUP (垂直検索)

VLOOKUPは、指定した値を等し、「縦方向」に並んだデータから対応する情報を取得するための関数です。これは、常にデータが列に並んでいる場合に便利です。

構文

=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, 検索の型)

• 検索値: 検索したい値 (例: A1)
• 範囲: データの範囲 (B2:D10 など)
• 列番号: 範囲内で取得したいデータが位置する列番号 (1列目=1, 2列目=2)
• 検索の型:
  • TRUE (近似一致): 検索値に最も近い値を検出。データが升順に並んでいる必要があります。
  • FALSE (完全一致): 検索値と正確に一致するものを検出。

例題

	A列	B列	C列
1行目	商品コード	商品名	価格
2行目	A001	ノートPC	80000
3行目	A002	デスクトップ	60000
4行目	A003	タブレット	30000

「A002」の価格を取得したい場合:

=VLOOKUP("A002", A2:C4, 3, FALSE)
結果: 60000

注意点

• データ範囲の最左列に検索値がある必要があります。
• 列番号は範囲内での位置を指定します。

XLOOKUP (柔軟な検索)

XLOOKUPはVLOOKUPやHLOOKUPの進化版で、さらに柔軟で強力な検索が可能です。左右・上下どちらの方向にも対応しています。

構文

=XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り値の範囲, [見つからない場合], [一致モード], [検索モード])

• 検索値: 検索する値 (“A002” など)
• 検索範囲: 検索対象の列や行 (A2:A4 など)
• 戻り値の範囲: 取得する値がある列や行 (C2:C4 など)
• [見つからない場合]: 該当がない場合に表示する値 (省略可能)
• [一致モード]:
  • 0: 完全一致 (デフォルト)
  • -1: 完全一致または小さい次の値
  • 1: 完全一致または大きい次の値
• [検索モード]:
  • 1: 順方向 (デフォルト)
  • -1: 逆方向

例題

	A列	B列	C列
1行目	商品コード	商品名	価格
2行目	A001	ノートPC	80000
3行目	A002	デスクトップ	60000
4行目	A003	タブレット	30000

1. 基本的な使い方

「A003」の商品名を取得したい場合:

=XLOOKUP("A003", A2:A4, B2:B4)
結果: タブレット

2. 見つからない場合の値設定

「A004」の商品名を取得しようとした場合、データが存在しないので”該当なし”と表示する:

=XLOOKUP("A004", A2:A4, B2:B4, "該当なし")
結果: 該当なし

3. 逆方向検索

「デスクトップ」の商品コードを取得したい場合:

=XLOOKUP("デスクトップ", B2:B4, A2:A4)
結果: A002

XLOOKUPの利点

• 左右どちらの方向にも対応: 検索値が左側にない場合でも利用可能。
• 見つからない場合の対応: デフォルト値を設定可能。
• 複数条件検索: 配列を使用することで複数条件検索も実現可能。

応用例

売上データの中で特定の期間や商品カテゴリーに基づいて値を取得したり、他のシート間で動的にデータを参照する用途にも活用できます。

HLOOKUP (水平検索)

HLOOKUPはVLOOKUPの「水平版」です。指定した値を基準に「横方向」に並んだデータから対応する情報を取得します。

構文

=HLOOKUP(検索値, 範囲, 行番号, 検索の型)

• 検索値: 検索したい値 (例: “商品コード”)
• 範囲: データの範囲 (A1:C3 など)
• 行番号: 範囲内で取得したいデータが位置する行番号 (1行目=1, 2行目=2)
• 検索の型:
  • TRUE (近似一致): データが昇順に並んでいる場合に最適。
  • FALSE (完全一致): データが正確に一致する場合に最適。

例題

	A列	B列	C列	D列
1行目	商品コード	A001	A002	A003
2行目	商品名	ノートPC	デスクトップ	タブレット
3行目	価格	80000	60000	30000

「A002」の商品名を取得したい場合:

=HLOOKUP("A002", A1:C3, 2, FALSE)
結果: デスクトップ

HLOOKUPの利点

• 水平に展開されたデータで検索が可能。
• テンプレートや表形式でデータが整理されている場合に便利。

注意点

• 検索値は範囲の最上行にある必要があります。
• 行番号は範囲内での位置を指定します。

VLOOKUPとXLOOKUPの比較

特徴	VLOOKUP	XLOOKUP
柔軟性	制限あり	高い
左右どちらの方向	対応不可	対応可能
見つからない場合	エラーを返す	デフォルト値を設定可能
複数条件検索	不可	可能

XLOOKUPは、VLOOKUPの弱点を補完し、現代のExcelワークフローにおいて強力な選択肢となります。

まとめ

VLOOKUP、XLOOKUP、HLOOKUPは、それぞれ異なる場面で役立つ検索関数です。データの構造や目的に応じて適切な関数を選択することで、作業効率を大幅に向上させることができます。特にXLOOKUPは最新のExcel機能であり、その柔軟性と使いやすさから推奨される場面が増えています。

これらの関数を活用して、日々のデータ処理をさらに効率化しましょう！