GoogleスプレットシートとExcel(エクセル)の違い

GoogleスプレッドシートとMicrosoft Excel(以下、Excel)は、どちらも表計算ソフトの代表格であり、個人から企業まで幅広い場面で利用されています。しかし、それぞれのツールには特徴や強みがあり、用途や状況によってどちらを選ぶべきかが変わってきます。

この記事では、GoogleスプレッドシートとExcelの基本的な特徴や違いについて詳しく解説します。これにより、両者の機能やメリット・デメリットを理解し、あなたのニーズに最適なツールを選ぶ助けになるでしょう。

目次

1. GoogleスプレッドシートとExcelの基本的な特徴

Googleスプレッドシートの特徴

Googleスプレッドシートは、Googleが提供するクラウドベースの表計算ツールです。

無料で利用可能(Googleアカウントが必要)。 クラウド上で動作するため、インターネット接続があればどこからでもアクセス可能。 リアルタイムでの共同編集が得意。複数人が同時に編集でき、変更履歴が自動保存されます。 Google Workspace(旧称G Suite)との統合が優れており、GoogleドキュメントやGoogleフォームとの連携がスムーズ。 Webブラウザやスマートフォンアプリで手軽に利用可能。

Excelの特徴

Excelは、Microsoftが提供するデスクトップアプリケーションの表計算ソフトです。

高度なデータ分析機能を備えており、ピボットテーブルや関数、マクロ(VBA)などの機能が充実。 大規模なデータを処理する能力に優れ、計算速度が速い。 有料ソフトであり、購入にはMicrosoft OfficeやMicrosoft 365のライセンスが必要。 オフライン環境でもフル機能が利用可能。 他のMicrosoft製品(Word、PowerPoint、Teamsなど)との連携が強力。

2. 主な違い

1. 価格

Googleスプレッドシートは基本的に無料で利用可能で、Google Workspaceにアップグレードすれば追加機能を利用できます。一方、ExcelはMicrosoft OfficeやMicrosoft 365の有料プランに含まれるため、利用にはコストがかかります。ただし、Excelの無料オンライン版(Microsoft Excel Online)も提供されていますが、機能が限定的です。

2. コラボレーション機能

Googleスプレッドシートの大きな魅力は、リアルタイムでの共同編集機能です。共有リンクを通じて他のユーザーを招待し、同時に編集することができます。さらに、コメント機能や変更履歴の追跡が簡単に行えるため、チームでの利用に非常に適しています。

一方、Excelにもファイル共有機能がありますが、リアルタイム性や操作性の面ではGoogleスプレッドシートに劣る部分があります。クラウド版のExcel(Excel Online)を利用することでリアルタイム編集が可能ですが、ローカル版Excelの高度な機能は使えません。

3. オフライン利用

Excelはデスクトップアプリケーションとして開発されているため、インターネット接続がなくてもフル機能を使うことができます。一方、Googleスプレッドシートは基本的にオンラインツールですが、オフラインモードを有効にすれば、ネット接続がない状態でも編集が可能です。ただし、この機能を利用するには事前に設定が必要です。

4. 機能性とカスタマイズ性

Excelは、ピボットテーブルやマクロ(VBA)などの高度な機能を備えており、大規模なデータ処理や複雑な業務にも対応できます。特に、財務分析や統計解析など専門性の高い分野で重宝されます。

一方、Googleスプレッドシートはシンプルさが特徴です。Google Apps Scriptを活用すれば、独自のカスタマイズも可能ですが、Excelほどの柔軟性や高度な機能はありません。ただし、スクリプトの書きやすさやGAS(Google Apps Script)のクラウド連携は魅力的です。

5. 連携性と拡張性

GoogleスプレッドシートはGoogle Workspaceとシームレスに連携しており、Googleドライブでのファイル管理やGoogleフォームとの統合が簡単です。また、サードパーティのアドオンを利用して機能を拡張することも可能です。

Excelは、Microsoft製品との統合が非常に強力です。特に、Power BIと連携することでビジネスインテリジェンスツールとして活用できる点が特徴です。さらに、Excelのアドイン機能を利用して、専門的なツールを追加することも可能です。

3. 利用シーンに応じた選択ポイント

Googleスプレッドシートが適している場合

小規模なチームやフリーランスなど、コラボレーションを重視する場合にはGoogleスプレッドシートがおすすめです。特に、クラウド上で簡単に共有・編集できる点は、リモートワークに最適です。

Excelが適している場合

大規模なデータ分析や財務処理など、高度なデータ処理が必要な場合にはExcelが適しています。特に、ピボットテーブルやマクロを活用した複雑な業務には欠かせないツールです。

4. Excelが向いている人、Googleスプレッドシートが向いている人

ExcelとGoogleスプレッドシートは、それぞれ得意とする分野や利用シーンが異なります。どちらを選ぶべきか迷っている人のために、具体的な業務や利用シーンごとに向いているツールを紹介します。

Excelが向いている人

Excelは、高度なデータ処理や複雑な業務を行う人に適しています。特に、大量のデータを扱う企業や、財務・会計などの専門的な分野では、Excelの強力な機能が不可欠です。

Excelをおすすめするケース

✅ データ分析や統計解析を頻繁に行う人
 → ピボットテーブルや統計関数を駆使して、大量のデータを分析する必要がある場合。

✅ マクロ(VBA)を使って業務を自動化したい人
 → ルーチンワークをVBA(Visual Basic for Applications)で自動化し、作業効率を向上させたい場合。

✅ 会計・財務・経理業務を担当する人
 → 企業の財務データや予算管理、複雑な数式を用いたシミュレーションが必要な場合。

✅ 大企業や組織でExcelを標準ツールとして使用している人
 → 既存のExcelファイルやテンプレートとの互換性を維持する必要がある場合。

✅ オフライン環境で作業することが多い人
 → ネット接続が不安定な環境でもフル機能を使いたい場合。

Googleスプレッドシートが向いている人

Googleスプレッドシートは、オンラインでのコラボレーションやシンプルな表計算を求める人に適しています。特に、リモートワークやチームでの共同作業が多い人には最適な選択肢です。

Googleスプレッドシートをおすすめするケース

✅ チームでリアルタイムに編集・共有したい人
 → 複数人で同時に編集し、コメント機能を活用して円滑にコミュニケーションを取りたい場合。

✅ 無料で利用したい人(個人・フリーランス)
 → 無料で基本機能を活用し、コストを抑えながら業務を進めたい場合。

✅ クラウドストレージを活用して作業したい人
 → Googleドライブにデータを保存し、どこからでもアクセスしたい場合。

✅ リモートワークや出先で作業することが多い人
 → スマホやタブレットでも編集しやすく、オンライン環境が前提の働き方をする場合。

✅ GoogleフォームやGoogleドキュメントとの連携が必要な人
 → アンケートの集計やドキュメントとの連携をスムーズに行いたい場合。

ExcelとGoogleスプレッドシートの向き・不向きを比較(表)

項目Excelが向いている人Googleスプレッドシートが向いている人
データ分析大量のデータを高度に処理する人シンプルなデータ分析をする人
業務の自動化VBAを活用したマクロを組む人Google Apps Scriptを簡単に活用する人
コラボレーション個人作業が多い人チームでリアルタイム編集したい人
コストMicrosoft 365を契約できる人無料で使いたい人
オフライン作業ネットがない環境で作業する人クラウドベースで使いたい人
企業向け利用既存のExcel環境が整っている企業Google Workspaceを活用する企業
スマホ・タブレット対応PCでの作業がメインの人モバイル端末で作業したい人
おすすめ

スキルに合わせて学ぶ Excel、PowerPoint、Word講座

ビズアップ総研が提供するExcel、PowerPoint、Word講座では、初心者から上級者まで、MOS Master(マイクロソフト オフィス スペシャリスト マスター)取得の専任講師が、スキルに合わせた各種講座をご用意しています。エクセルの関数を集中的に勉強したい方、今更会社で聞けない基本的な使い方を身につけたい方など、多様なニーズに対応するため、様々な講座日程をご用意しております。ご都合の良い日時を選んで、ぜひご参加ください。

Excel、PowerPoint、Word講座の詳細はこちら

5. まとめ

GoogleスプレッドシートとExcelは、それぞれ異なる特徴と強みを持つツールです。Googleスプレッドシートはリアルタイム性と利便性に優れており、Excelは高度な機能とパフォーマンスでリードしています。最適な選択は、用途や利用シーンによって異なります。

この記事を参考に、あなたにとって最適な表計算ツールを選んでみてください。どちらのツールも、うまく活用すれば業務効率を大幅に向上させる力を持っています。