【例文付き】誤植に対するお詫び・修正案内の対応方法
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ビジネスにおいて、正確な情報を伝えることは非常に重要です。しかし、どんなに注意を払っても「誤植(ごしょく)」が発生することはあります。誤植とは、文書や印刷物、デジタルコンテンツなどで、誤った文字や単語が記載されることを指します。
誤植が発生すると、顧客や取引先に混乱を与えたり、企業の信頼を損ねたりするリスクがあり、特に価格や納期、契約条件などの重要な情報に誤植があると、企業にとって大きな損失を招く可能性 があります。
本記事では、誤植が発生した際の適切な対応方法 を詳しく解説します。お詫びと修正案内の仕方を具体的な例文付きで紹介 するので、万が一のトラブル時に活用してください。
目次
誤植が発覚した際の基本対応フロー
誤植が発覚した場合、慌てず冷静に対応することが重要です。以下の手順に沿って対応を進めましょう。
① 事実確認を行う
まず、誤植の内容を正確に把握します。
どの部分に誤植があるのか?(例:「○○円」と書くべきところを「××円」と記載) どれくらいの影響があるのか?(例:すでに顧客に誤った情報が伝わっているか?) どの範囲で誤植が発生しているのか?(例:Webサイトだけか?印刷物にも影響があるか?)
② 社内で対応方針を決定する
次に、社内で対応策を検討 します。
誤植を訂正するのか、それとも別の対応を取るのか? 訂正方法(Webサイトの修正、メールでの案内、再発行など) 誰に対してお詫び・修正の連絡をするか?(顧客・取引先・社内関係者など)
③ 迅速にお詫び・修正案内を行う
対応策が決まったら、速やかに関係者へ修正案内を送る 必要があります。特に、誤植によって誤解や損害が発生する可能性がある場合は、できるだけ早く謝罪と修正の連絡をすることが重要 です。
誤植対応フロー
ステップ | 内容 | 具体的な対応 |
---|---|---|
① 事実確認 | 誤植の内容・影響範囲を確認 | – どの部分が間違っているかを特定 – 誤植の影響を評価(顧客・取引先・社内) |
② 社内で対応方針を決定 | 修正方法と連絡対象を決定 | – 訂正方法を決める(Web修正、メール送信、印刷物差し替えなど) – どの範囲の関係者にお詫び・修正案内をするか決定 |
③ 迅速にお詫び・修正案内を行う | 関係者へ速やかに連絡 | – お詫びメールや通知を送信 – 公開情報(WebやSNS)の修正・告知 |
④ 再発防止策の実施 | チェック体制の強化 | – 誤植の原因分析 – ダブルチェックの強化・校正ツールの導入 – 社内ルールの見直し |
このように、誤植が発覚した際には「確認 → 方針決定 → 修正対応 → 再発防止」の流れで対応することが重要です。
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お詫び・修正案内の実例
ここでは、実際に使える「お詫び文」の例 を紹介します。
① メルマガの誤植に関するお詫び(読者向け)
📩 件名:【お詫び】メルマガの記載内容について
いつも○○をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
先ほどお送りしたメールマガジンにおいて、一部誤植がございました。
【誤】セール期間:2月10日~2月15日
【正】セール期間:2月20日~2月25日
誤った情報をお伝えしてしまい、読者の皆様にはご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
今後、チェック体制を強化し、再発防止に努めてまいります。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
② 取引先への誤植に関するお詫び(価格誤表記の場合)
📩 件名:○○商品の価格表記に関するお詫びと訂正のご案内
株式会社○○
△△様
平素より大変お世話になっております。
先日お送りした価格表において、一部誤植がございましたので訂正いたします。
【誤】商品A:10,000円(税抜)
【正】商品A:12,000円(税抜)
大変申し訳ございませんが、正しい価格は12,000円となりますので、何卒ご確認くださいますようお願い申し上げます。
なお、すでに誤った価格でご注文いただいたお客様には、個別にご連絡し適切に対応させていただきます。
この度の件につきまして、深くお詫び申し上げるとともに、今後はより一層注意を払い再発防止に努めてまいります。
何かご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
敬具
③ Webサイトの誤植に関するお詫び(公式発表)
🌐 タイトル:「○○に関する誤表記のお詫びと訂正のご案内」
お客様各位
平素より○○をご利用いただき、誠にありがとうございます。
このたび、当社Webサイトの一部ページにおいて、記載内容に誤植がございました。
【該当箇所】○○ページ内の商品説明文
【誤】容量:500ml
【正】容量:300ml
すでに当該ページの修正を完了しております。 誤った情報を掲載してしまい、お客様には混乱を招く結果となりましたことを深くお詫び申し上げます。
今後は社内チェック体制を強化し、正確な情報を提供できるよう努めてまいります。
引き続き、○○をよろしくお願い申し上げます。
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資料ダウンロードはこちら誤植防止のための対策
誤植を完全になくすことは難しいですが、適切な対策を講じることで発生率を大幅に下げることができます。誤植を防ぐためには、「ダブルチェック体制」「校正ツールの活用」「社内ルールの整備」 の3つの視点が重要です。
① ダブルチェック体制の確立
誤植を防ぐための基本は、「一人で確認しない」 ことです。人間は自分が書いた文章のミスを見落としやすいため、別の人にチェックしてもらう ことが効果的です。
チェック体制のポイント
- 重要な文書は2人以上で確認 する(特に価格・日付・数量・取引条件など)
- 役職の異なるメンバーでチェック する(担当者だけでなく、上司や専門部署の確認を入れる)
- 音読や指差し確認を活用 する(誤植を見つけやすくなる)
また、「なぜその文言にしたのか」を意識して読むことで、ただの誤字脱字だけでなく、意味的な間違い も発見しやすくなります。
② 校正ツールやAIを活用する
近年は、AIや自動校正ツール を活用することで、誤植を減らすことが可能になっています。特に、大量の文章を扱う場合や、複数の担当者が関わる業務では、これらのツールを導入することで人的ミスを補完 できます。
おすすめの校正ツール
ツール名 | 特徴 |
---|---|
ChatGPT | 日本語の文法チェック・誤字脱字の検出 |
Wordのスペルチェック | Word文書内で誤字・脱字を自動検出 |
DeepL Write | 英語・多言語の校正に対応 |
校正ツール活用のコツ
- 文章の最終チェック時にツールを使用する(最初から頼りすぎない)
- 複数のツールを組み合わせる(誤字脱字と文法チェックは別のツールで補完)
- AIだけに頼らず、人の目でも確認する(誤検出の可能性があるため)
③ 社内ルールの明確化
誤植が発生しやすい組織では、チェックフローが確立されていない ことが多いです。そのため、社内の文章作成ルールを明確にする ことで、誤植のリスクを下げることができます。
社内ルールの整備例
- 「メルマガは配信前に必ず2人がチェック」などのルールを作る
- 価格表・契約書などの重要文書は専門部署(法務部・経理部など)の最終確認を入れる
- 誤植が発生した場合の報告・対応フローを決めておく
- 過去の誤植事例を共有し、注意点を学ぶ機会を設ける
また、ミスを指摘しやすい環境を作ることも重要 です。チェック担当者が遠慮して指摘をしにくい雰囲気では、ミスが見逃されやすくなります。「ミスを見つけるのは良いこと」という文化を作ることで、誤植の発生率を下げることができます。
まとめ
誤植は誰にでも起こりうるミスですが、企業や個人の信頼を大きく損なう可能性があります。そのため、誤植を減らすための対策を徹底し、万が一誤植が発生した際には迅速かつ誠実に対応することが重要 です。
誤植対応のポイント
- 誤植が発覚したら迅速に対応する(事実確認・影響範囲の特定)
- 関係者へ誠実にお詫びし、正しい情報を伝える(メルマガ・取引先・公式発表など適切な手段を選ぶ)
- 再発防止策を講じる(ダブルチェック体制の強化、校正ツールの活用、社内ルールの整備)
また、誤植を防ぐためには、「チェック体制の強化」「ツールの活用」「社内ルールの整備」 を意識し、ミスを減らすための文化を根付かせることが大切 です。
誤植をゼロにすることは難しいですが、しっかりとした体制を作ることで発生率を大きく下げることができます。日々の業務の中で、「ミスが起こる前提で対策をする」 という意識を持ち、正確な情報を発信できるようにしましょう。