不正アクセス被害は他人事?日産事例に学ぶISO27001対策
連日のようにニュースで報じられる、企業への不正アクセスや個人情報の流出事件。「うちは大企業ではないから狙われないだろう」「セキュリティソフトを入れているから大丈夫」と考えてはいませんか。しかし、近年のサイバー攻撃は無差別化しており、セキュリティ対策が手薄な中小企業や、大企業の取引先である委託先企業が標的になるケースが急増しています。
特に注目すべきは、強固なセキュリティを持っているはずの大手企業であっても、業務委託先を経由して情報が漏洩してしまうという事実です。これは、単なるウイルス対策ソフトの導入だけでは防げない、組織全体での管理体制の問題を浮き彫りにしています。
本記事では、最近の事例として日産自動車の委託先における不正アクセス事件を振り返りながら、なぜ今、組織的な情報管理の仕組みである「ISO27001(ISMS)」が必要不可欠なのかを解説します。技術的な対策だけでなく、経営課題としてのセキュリティ対策を基礎から理解し、貴社の信頼を守るための第一歩を踏み出しましょう。
ISO27001 情報セキュリティマネジメントシステム入門
動画数|10本 総再生時間|151分
ISMSおよびISO27001の基礎を学び、情報セキュリティ管理の枠組みやリスク対応、認証取得までを実務視点で理解します。
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- 相次ぐ「不正アクセス」被害、その原因はどこにある?
- 不正アクセスを防ぐ「ISO27001(ISMS)」とは
- 担当者必見!セキュリティマネジメントを体系的に学ぶ方法
- リスクを可視化し、組織を守る「最初の一歩」を
- まとめ
相次ぐ「不正アクセス」被害、その原因はどこにある?

サイバー攻撃の手口は年々巧妙化しており、その被害は企業の規模を問いません。しかし、多くの企業が被害に遭って初めて気づくのが、自社のセキュリティ対策における「穴」の存在です。ここでは、具体的な事例を通して、なぜ不正アクセスを許してしまうのか、その構造的な原因を探ります。
日産自動車の事例に学ぶ、委託先管理の落とし穴
近年、企業セキュリティの大きな脅威となっているのが「サプライチェーン攻撃」です。これは、セキュリティ対策が強固なターゲット企業を直接攻撃するのではなく、その企業と取引のある関連会社や業務委託先など、比較的セキュリティが手薄な企業を踏み台にして侵入したり、情報を盗み出したりする手口です。
記憶に新しい事例として、日産自動車の業務委託先に対する不正アクセス事件があります。この事案では、委託先のシステムが第三者による不正アクセスを受け、結果として約2万1000件もの個人情報が流出する可能性があると公表されました。
この事例から学べる教訓は非常に重大です。自社内でどれほど厳重なセキュリティ対策を講じていたとしても、データを取り扱う委託先の管理体制に不備があれば、そこから情報資産は流出してしまいます。つまり、現代のセキュリティ対策においては、自社だけでなく、委託先も含めた管理監督責任が問われる時代になっているのです。
技術だけでは防げない?「組織的対策」の重要性
「最新のファイアウォールを導入している」「全社員のPCにウイルス対策ソフトを入れている」。これらはもちろん重要ですが、これだけで不正アクセスを完全に防ぐことは不可能です。なぜなら、セキュリティ事故の多くは、システムそのものの脆弱性だけでなく、それを利用する「人」や「運用ルール」の隙を突かれることで発生するからです。
例えば、従業員がパスワードを付箋に書いてPCに貼っていたり、機密データが入ったUSBメモリを無許可で持ち出したり、退職者のアカウントを削除し忘れていたりといったケースです。これらは技術的な壁で防ぐことが難しく、組織としてのルール作りと教育、そして継続的な監視が必要です。
ここで重要になるのが「マネジメントシステム」という考え方です。単発の対策を行うのではなく、組織全体でリスクを特定し、対策を計画し、実施し、点検するというサイクル(PDCA)を回し続ける仕組みこそが、不正アクセスに対する最も有効な防御壁となります。
不正アクセスを防ぐ「ISO27001(ISMS)」とは
組織的なセキュリティ対策を構築するための世界的なスタンダードが「ISO27001」です。これは情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格であり、情報を適切に管理し、守るための枠組みを提供しています。
機密性・完全性・可用性(CIA)を守る仕組み
情報セキュリティというと、情報を「漏らさないこと(機密性)」ばかりに目が行きがちですが、ISO27001ではそれだけでなく、情報の正確さを保つこと、そして必要な時に使える状態にしておくことも含めた「情報の3要素(CIA)」のバランスを維持することを目的としています。
以下の図解で、この3要素について整理します。
情報セキュリティの3要素(CIA)
アクセス権限の設定ミスで、誰でも顧客名簿を見られる状態になっていた。
Webサイトが書き換えられ、誤った情報が発信されてしまった。
サーバーへの攻撃によりシステムが停止し、業務ができなくなった。
ISO27001に基づくISMSを構築するということは、これらの3要素に対するリスクを洗い出し(リスクアセスメント)、それぞれの重要度に応じた適切な管理策を導入することを意味します。不正アクセスによって「機密性」が損なわれるだけでなく、ランサムウェアでデータが暗号化され「可用性」が失われるケースも増えており、バランスの取れた対策が求められます。
なぜ今、ISMS認証取得が企業に求められるのか
かつてISO27001の認証取得は、一部の大企業やIT企業に必要なものと考えられていました。しかし、先述したサプライチェーン攻撃のリスクが高まる中で、状況は一変しています。
現在では、官公庁の入札条件や、大手企業との新規取引条件として「ISO27001(ISMS)認証の取得」あるいは「同等のセキュリティ管理体制の構築」が求められることが一般的になりつつあります。取引先企業にとって、貴社がISMS認証を取得していることは、「国際基準に則った適切な情報管理が行われている安全なパートナーである」という客観的な証明になります。
逆に言えば、しっかりとしたセキュリティの仕組みを持たない企業は、ビジネスの機会を失うリスクすらあるのです。不正アクセスから自社を守るだけでなく、対外的な信用を獲得し、ビジネスを拡大させるための「攻めのツール」として、ISMSへの注目が集まっています。
「明日は我が身」の不正アクセス。
今すぐ組織を守る仕組みを作りませんか?
技術対策だけでは防げないリスクを、ISO27001(ISMS)の知識でカバーします。
認証取得のプロセスから実践的な管理策まで、eラーニングで体系的に習得。
まずは、講座の詳細をご確認ください。
担当者必見!セキュリティマネジメントを体系的に学ぶ方法
「ISMSが重要なのは分かったが、専門用語も多くて難しそうだ」「コンサルタントを雇う予算はないし、担当者が自分一人しかいない」
多くの中小企業では、このような悩みを抱えています。セキュリティ対策は待ったなしの状況ですが、通常業務と兼任で担当する場合、分厚い専門書を読み込んだり、高額な外部セミナーに頻繁に通ったりすることは現実的ではありません。
そこで推奨されるのが、場所や時間を選ばず、体系化された知識を効率よく学べる「eラーニング」の活用です。
独学は危険?プロから学ぶべき理由
ISO27001のような国際規格は、解釈の仕方に幅があるため、独学で進めると「過剰なルールを作って業務効率を下げてしまう」あるいは「肝心なリスクを見落としてしまう」という失敗に陥りがちです。
経験豊富なコンサルタントが講師を務めるeラーニングであれば、規格の条文を単に読むのではなく、「実務ではどう運用すべきか」「審査ではどこが見られるのか」という実践的なポイントを押さえて学習できます。また、社内の全部署に関わる内容だからこそ、担当者だけでなく経営層や管理職も同じ動画を見ることで、組織全体の認識レベルを統一できるというメリットもあります。
実務に直結!「ISO27001入門」eラーニング講座の全容
今回ご紹介するのは、情報セキュリティの基礎から認証取得の流れまでを網羅した講座「ISO27001 情報セキュリティマネジメントシステム入門」です。
本講座は、単なる用語解説にとどまらず、昨今の脅威動向やリスクアセスメント(リスクの特定と分析)の手法、そして実際に認証を取得するためのステップまでを、現役のコンサルタントが分かりやすく解説しています。
以下は、本講座で学べる具体的なカリキュラム内容です。
講座カリキュラム:ISO27001 情報セキュリティ入門
| チャプター | 学習内容 | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 情報セキュリティの最近の状況とISMS | ISMS認証がなぜ普及しているのか、近年の情報セキュリティの傾向や過去の10大脅威の上位事例を交えて、その背景と必要性を学びます。 | 約16分 |
| 情報セキュリティマネジメントシステムのプロセスを知る | ISO27001の核心となるプロセス、リスク対応、リスクアセスメントについて詳細に解説。ISMSとは何か、その全体像を把握します。 | 約51分 |
| 認証を取得するには | ISMSの構築から認証取得までの具体的な流れを解説。実際にISMSを構築し、ISO27001認証を取得するためのロードマップを描きます。 | 約6分 |
| 確認テスト | 学習内容の理解度をチェックするための問題に取り組みます。知識の定着を確認する重要なステップです。 | 約8分 |
このように、本講座では「なぜ必要なのか」という動機づけから始まり、「具体的に何をするのか(プロセス)」「どうやってゴールするのか(認証取得)」までをストーリー立てて学ぶことができます。特に約51分を使って解説されるプロセスの章では、実務担当者が最も躓きやすいリスクアセスメントの考え方を丁寧に紐解いており、即戦力となる知識が得られます。
リスクを可視化し、組織を守る「最初の一歩」を
不正アクセスや情報漏洩といったセキュリティインシデントは、発生してから対応するのではなく、「発生させないための仕組み」を平時に作っておくことが全てです。
eラーニングで効率的に「認証取得プロセス」を理解する
ISMSの構築は、一見すると膨大な作業に思えますが、正しい手順と知識があれば、決して不可能なことではありません。むしろ、セキュリティ対策を通じて社内の業務フローが整理され、無駄が省かれるという副次的な効果も期待できます。
今回ご紹介したeラーニング講座は、これからISMS認証取得を目指す企業はもちろん、既に取得済みだが形骸化してしまっている企業の再教育用としても最適です。日々の業務に追われる中でも、オンラインで少しずつ学習を進めることで、組織全体のセキュリティリテラシーを確実に底上げすることができます。
まずは、担当者がこの講座を通じて「セキュリティ管理の全体像」を把握すること。それが、日産自動車の事例のようなサプライチェーン攻撃のリスクから、自社と取引先を守るための確実な第一歩となります。
まとめ
本記事では、不正アクセス事件の背景にある組織的な課題と、その解決策としてのISO27001(ISMS)について解説しました。
- 不正アクセス被害は対岸の火事ではない: 大手企業の委託先を経由した攻撃が増加しており、中小企業こそ厳格な管理が求められています。
- 技術だけでは守れない: ヒューマンエラーや管理不備を防ぐには、ISMS(仕組み)の構築が不可欠です。
- 体系的な学習が近道: 独学で悩むよりも、専門家監修のeラーニングで効率よく学ぶことが、迅速な体制構築につながります。
「うちはまだ大丈夫」という油断が最大のセキュリティホールです。信頼される企業であり続けるために、今こそ正しい知識を身につけ、強固な情報セキュリティ体制の構築に取り組みましょう。


