ChatGPTで書いた志望動機はバレる?自然な文章のコツ



採用選考では、志望動機の質が選考結果を左右します。ChatGPTを活用すると効率的ですが、「AIっぽさ」に気づかれることへの不安もあります。
本記事では、新卒だけでなく中途入社を目指す方にも役立つ、自然で説得力ある志望動機の作成方法を解説します。
目次
ChatGPTで作った志望動機はバレる?
AI生成文章は時に均一で無機質な印象を与えることがあり、人事担当者は細かな言い回しや構成からAI使用を察することがあります。特に中途採用では「業界経験者としての具体性」を注視されるため、AI由来の形式的な文章では弱点となります。それでも、AIを活用した下書きをベースにし、自分の言葉で肉付けすれば「人間味」と説得力を兼ね備えた志望動機に仕上がります。
自然な文章を作るための注意点
生成後に必ず“自分の言葉”に書き換える
ChatGPTが出力した志望動機をそのまま使うと、「誰にでも当てはまる内容」になりがちです。自分の経験や実感を盛り込み、「なぜその会社に入りたいのか」「なぜその業界を選んだのか」といった動機を自分の言葉で語ることで、読み手の共感を得やすくなります。新卒なら学生時代の活動を、転職なら前職の経験と結びつける工夫が求められます。
具体的な数字やエピソードを加える
「努力しました」よりも「前年比120%達成」など、数字を含めた記述は説得力が違います。
目に見える成果を提示することで、実績の再現性や自分の強みが伝わりやすくなります。新卒でも「◯名のチームをまとめた」「◯件のイベントを運営した」などのエピソードがあれば、積極的に盛り込みましょう。
自己分析と志望動機の一貫性を確認
志望動機がしっかりと自分の価値観やキャリアの軸と結びついているかを見直しましょう。たとえば「人を支える仕事がしたい」という軸があるなら、それがどうして今の会社で活きるのかを具体的に説明します。自己分析の結果と志望先の理念や事業内容が一致していることが、説得力ある文章に繋がります。
文章のリズムと語調を整える
AIが生成した文章は一見整っていても、読んでみると「ですます」調と「である」調が混ざっていたり、接続詞の使い方に違和感があることがあります。文の長さに変化をつける、言葉の重複を避けるなどの工夫で、自然なリズムのある文章を意識しましょう。特に最終文のまとめ方には注意が必要です。
文字数を必ずチェックする
生成AIは、指定した文字数よりもやや少なめの文章を出力する傾向があります。たとえば「300〜400字で」と指定しても、実際には250字程度に収まってしまうケースが少なくありません。確実に文字数要件を満たすためには、やや多めの文字数(500〜600字程度)での作成をAIに指示することをおすすめします。また、最終的にはWordやインターネット上にあるツールを使用し、自分自身で文字数を確認することを忘れないようにしましょう。
ツールに頼りすぎない
AIは便利ですが、最終的な品質管理は人の目が欠かせません。校閲ツールや第三者の目を通して文法やトーン、意味の整合性をチェックすることで、より完成度の高い志望動機になります。
面接官は「この人が書いたかどうか」を見抜くため、文脈や表現に違和感がないよう丁寧に見直すことが大切です。
志望動機を作成する際のプロンプト
ここでは、志望動機を作成する際のプロンプトを、新卒向け・中途向けそれぞれ紹介します。どちらのプロンプトも、自分の言葉を起点にして内容をカスタマイズしやすく設計しています。出力例と合わせて参考にしてください。
志望動機作成プロンプト(新卒向け)
新卒向けの志望動機では、学生時代に何をやってきたか、そのことによってどんなスキルを身につけたが重視されます。赤文字部分を自分のことに置き換えて使用してください。
あなたは就職活動中の学生で、志望動機を作成しようとしています。以下の情報に基づいて、自然で説得力のある志望動機を作成してください。文体は「です・ます」調で500文字程度にまとめてください。
(※赤文字部分は自分で記載してください)
【入力者情報】
・志望企業名(文中では”御社”と記載):(例:ABC株式会社)
・志望職種/部門:(例:営業部門)
・大学名・学部:(例:D大学経営学部)
・学生時代に力を入れたこと(部活動、ゼミ、アルバイトなど):(例:焼肉屋で4年間アルバイト)
・その経験を通して得たスキルや価値観:(例:接客スキルが身についた、初対面の人と話せるようになった)
・志望企業に魅力を感じたポイント:(例:就職説明会で会社の雰囲気が良さそうだった)
・その企業でどのように活躍したいか:(例:営業として成績を上げたい)
この情報を踏まえ、「なぜこの企業で働きたいのか」「その会社でどのように活躍できるか」が自然に伝わる志望動機を作成してください。
出力例:
「私は御社の営業部門で、お客様との信頼関係を築きながら成果を上げられる営業職を目指したいと考えております。D大学経営学部に在学中、焼肉屋で4年間アルバイトを経験し、幅広い年代のお客様に接客を行ってきました。その中で、相手の立場に立った対応を意識することで、自然と信頼を得られるようになり、初対面の方とも臆せず会話できるようになりました。また、忙しい時間帯でも冷静に優先順位を判断し、効率的に動く力も身につきました。御社の就職説明会では、社員の方々の雰囲気が非常に明るく、風通しの良さを感じました。このような環境であれば、自分らしく働きながら成長できると強く感じました。営業職として、アルバイトで培った傾聴力やコミュニケーション力を活かし、お客様の課題を的確に捉えて提案し、御社の売上にも貢献できるよう努めてまいります。」(359文字)
志望動機作成プロンプト(中途向け)
中途採用の場合は、これまでの職場経験やスキルがどのように会社の役に立つかを見られています。数値で示せる実績がある場合は、積極的に記載するようにしましょう。
あなたは転職活動中の社会人で、志望動機を作成しようとしています。以下の情報に基づいて、自然で説得力のある志望動機を作成してください。文体は「です・ます」調で500文字程度にまとめてください。
(※赤文字部分は自分で記載してください)
【入力者情報】
・志望企業名(文中では”御社”と記載):(例:EFGカンパニー)
・志望職種/部門:(例:貿易部門、英語を使う仕事)
・前職の業界と職種:
(例:総合商社で外国企業への製品発注を担当)
・前職での主な実績(数字があれば記載):
(例:繁忙期には一人で最大10社を担当。10人規模のプロジェクトのリーダーを務めた)
・その経験から学んだことや身につけたスキル:
(例:英語での交渉スキルが向上した。スケジュール、人材管理の大切さを学んだ。)
・今回の転職の理由:(例:より自分の裁量が大きい職場で仕事がしたい)
・志望企業に魅力を感じたポイント:
(例:挑戦が歓迎される空気、前職と同じ職種で自分の経験が活かせると考えた)
・志望企業で実現したいキャリアビジョン:
(例:プロジェクトリーダーとなって、大きなプロジェクトを回していきたい)
この情報を踏まえ、「前職の経験をどう活かすか」「なぜこの企業でなければならないのか」が伝わる志望動機を作成してください。
出力例:
「前職では総合商社にて、外国企業への製品発注業務を担当しておりました。繁忙期には一人で最大10社を担当し、10名規模のプロジェクトではリーダーを務めるなど、責任ある業務にも積極的に取り組んでまいりました。この経験を通じて、英語での交渉スキルに加え、スケジュール管理や人材マネジメントの重要性を学び、実践的なスキルとして身につけました。今後は、より自分の裁量が大きく、チャレンジ精神を活かせる環境で働きたいと考え、転職を決意いたしました。御社は挑戦を歓迎する企業風土であると伺い、また前職と同様に英語力や国際業務の経験を活かせる点に大きな魅力を感じました。これまでの経験を土台に、将来的にはプロジェクトリーダーとして大規模な案件をまとめ上げる存在となり、御社のグローバル展開に貢献していきたいと考えております。」(355文字)
このように、自分の文章力に自信がない場合でも、箇条書きで自分の情報を記載するだけで整った志望動機を考えてくれるのが生成AIの利点です。また、「自然な文章を作るための注意点」でも紹介したように、文字数は希望より多めに指定するようにしましょう。
なぜ今、プロンプト設計が重要なのか?

AI出力の品質は「問いかけ=プロンプト」の質に左右されます。適切な設定があれば自然な志望動機や豊富な自己PRが得られるため、新卒・中途問わず、まずはAIとの“共作”設計が必須です。またこのスキルは志望動機作成のみならず、プレゼン資料、報告書、マーケティング企画などビジネス全般に汎用性があります。
AI時代、単なる文章作成ではなく「どのように問い、どう出力を改善するか」が差を生む鍵です。質の高い出力=AI活用能力そのものです。今後はプロンプト設計スキルがビジネス力として注目されます。
スキルアップにはプロンプトエンジニアリング研修がおすすめ
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まとめ
AIを活用した志望動機は、人間らしさと数字やエピソードの具体性を加えることで強力な武器になります。その鍵となるのは、プロンプトエンジニアリングというスキルです。AIにただ書かせるだけでなく、「問い方」を設計し、質の高い出力を得る能力を身につけることだ、選考を通過する文章と、将来にわたって通用するビジネス力の基盤になります。プロンプトエンジニアリングマスター講座では、現在無料動画を公開中です。実際の操作画面を見ながら学べる本講座も、ぜひご活用ください。