職場内でフキハラを受けていませんか?不機嫌ハラスメントの見極め方と相談窓口を紹介!
フキハラ(不機嫌ハラスメント)の被害者では、と悩んでいる人はいるでしょうか。職場で不快な気分に陥っている、中でも上司からのハラスメントが酷いと感じているようなら、もしかするとフキハラの被害者かもしれません。本記事では、フキハラについて考えるとともに、相談窓口情報や事前の準備について解説します。
目次
- 【タイプ別】フキハラを判断する方法
- フキハラ被害を確認するチェックリスト
- フキハラの相談前に準備することは
- 相談者が抱くフキハラへの悩み
- フキハラ相談についての注意事項
- フキハラに関するおもな相談窓口
- まとめ
【タイプ別】フキハラを判断する方法
職場での緊張感はたしかに必要かもしれませんが、過度にエスカレートしてしまうと支配や不安が渦巻く不健全な環境になってしまいます。放置すればパワハラへと発展しかねません。最近では、職場でのフキハラによる被害が注目されています。
フキハラは、相手の立場や関係性を考えた適切な対処法が必要です。同僚・後輩・上司にフキハラの疑いがある場合のケースを解説します。
まずは、フキハラの実態を確かめておきましょう。
対象が同僚の場合
同僚からのフキハラを感じているとしたら、冷静に状況把握から始めましょう。同僚は対等な立場ですから、直接のコミュニケーションが可能であるはずです。ストレスなどで環境が悪化しているとしたら相互理解する必要があります。相手の同僚に対して、具体的に状況と意見を伝えることです。
「不機嫌な態度が目立っているけど何か悩みがあるのか」と問いかけてみましょう。業務上の問題であれば、解決策を導き出せるかもしれません。
家庭など業務と関係ない場所に原因があれば、とにかく聞き役に徹してあげることです。必要であれば、信頼できる上司や相談窓口などへ打診するよう促すとよいでしょう。
対象が後輩の場合
後輩からのフキハラを感じたら、立場を活かしながら建設的な対応をしましょう。
後輩なので適切なフィードバックをすることが可能です。ただし威圧的にではなく、原因を共に解決する姿勢を見せましょう。まずは、後輩による具体的なフキハラ状況を説明し、その影響なども伝えます。
「不機嫌な態度が目立つという声もあり、チーム全体に影響を与えている」ことを正直に話し、どうありたいのかを聞き出すことが必要です。
業務上の悩みについて聞き出し、適切なサポートを提供します。後輩であれば、定期的にフィードバックやメンタリングを重ねることも有効です。1回で解決しようと無理をしないことが大切で、徐々に支援やアドバイスをします。
必要性があれば、さらに自分の上司や人事部門と連携することも考えられるでしょう。
対象が上司の場合
上司からのフキハラを感じるような場合、慎重にことを運ぶようになります。上司とは直接対決を避け、第三者の支援に任せるのが無難です。
まず、上司のさらに上の立場で信頼できる人物に相談しましょう。そこでの初歩段階は、フキハラの事実を知ってもらい情報共有することです。具体的事例や相手の態度が職場に及ぼしている影響を説明します。あくまでも客観的視点で事実を伝えるようにしましょう。
他にも、人事部門、労働相談窓口に相談することも検討すべきです。今では大手企業の多くには相談窓口設置が義務化されています。状況次第で調査や指導の依頼ができるからです。少なくとも、自分ひとりで解決しようとは考えないようにしましょう。
フキハラ被害を確認するチェックリスト
職場にてフキハラを受けているのか不安であれば、以下の内容をチェックしてみましょう。
1つでも該当するものがあれば、手遅れになる前に誰かに相談したほうがよいでしょう。
- 相手の挙動のすべてに威圧感がある
- 近くに誰かがいると感じるだけでストレスを覚える
- 話題がなく会話が途切れると気まずい
- 職場の暗黙のルールに神経を使う
- 相手のオーラにびくびくする
- 相手のむっつり顔にビクビクしている
- ピリつく空気に息がつまりそうになる
- 相手に振り回されっぱなし
- 好きになった人のことが気になりすぎる
- 常に気が休まらない
- 萎縮しおびえていると実感する
- 自由がないと感じる
- 他人が怒られていると自分も不安になる
- 周囲の空気に流されているようだ
- 無性にイライラすることがある
フキハラの相談前に準備することは
不機嫌ハラスメントの解決策は、早期の段階での発見が重要です。もし対応のタイミングが遅れて初動対応を誤ってしまうと、問題は膨れ上がり取り返しがつかない事態に陥ることもあります。
現在では多くの職場では、ハラスメントの撲滅に動いているのが普通です。もし怪しいフキハラの兆候があれば、相談する前に以下の内容を確認しておきましょう。
自分の主張を通せる相手かどうかを確認する
フキハラ対象の相手は、自分の意見を最後まで聞いてくれるような人物でしょうか。普段は不快な印象を与え続けている相手だとしても、それは個人だけを集中攻撃している場合もあれば、特定の人をターゲットになどしていない場合も考えられます。
自分とのコミュニケーションに執着するのではなく、同じ職場の他のスタッフに対してはどんな態度を示しているのかも、必ず観察しておきましょう。他のスタッフも共通に違和感を持った相手であれば、自分一人で悩む必要はありません。協力し合いながら加害者への対策が練れるはずなので、精神的には負担が少なくなります。
最悪、自分だけがターゲットだと明らかなら、それなりに次の段階を考えればよいのです。
アイメッセージで自分の状況を伝えられるか
フキハラの加害者と思わしき人物と大事な話をする際は、なるべく「アイメッセージ」を使って会話をしましょう。アイメッセージとは「I=私は(が)」を主語にしながら、自分の気持ちや考えを伝えるテクニックです。
「私は〜と思う、そこであなたに〇〇してほしい」という形式に当てはめます。
私を軸に意思表示ができることと、同時に強制感を減らし相手へ要望も言える方法です。この方法とは逆の「ユーメッセージ」にすると、「あなたは〇〇をしなさい」という命令調に聞こえてしまいます。
やはり、相手を尊重しながら自分の意志や考えを伝えることで、余計な気を使うこともありません。アイメッセージを駆使しながら、相手の態度も観察するようにしましょう。
あくまでも、業務上での大事なことに限定して活用することがポイントです。
周囲には親身になって相談できそうな人物がいるか
フキハラの兆候を感じて不快に思い始めると、つい自分と相手との関係性にばかり悩んでしまいがちです。場合によっては孤立している気分に陥ってしまい、メンタル面でもよくはありません。
必ず、自分の味方になってくれそうな人物や、賛同できる人物などが、同じ職場に存在するのかをチェックしてみましょう。何かあった際に、相談し合えるような関係性が確立できれば、かなり心強くなります。
社内・社外相談窓口の詳細を知っているか
自分の所属する企業にはハラスメントに関する相談窓口があるかも、事前にチェックしておきましょう。近年、大手企業の多くは社員向けに相談窓口を設けるようになりました。
困ったことがあれば、大いに利用することをおすすめします。もし、中小企業で相談窓口など設られないような環境であれば、社外の相談窓口を調べておくことが大切です。
カウンセラーや専門医など第三者機関を把握しているか
社内・社外の相談窓口だけではなく、最終手段としての第三者機関も検討しておきましょう。この場合は、弁護士など士業をおこなっている人物のことです。
最悪のことを考えれば、無料相談などを利用してみるのも方法の一つになるでしょう。
また、精神面での悩みや健康上の問題を抱えそうであれば、カウンセラーやコーチ、心療内科など専門医も見つけておくとよいでしょう。
問題そのものを解決する立場ではありませんが、個人の心の悩みに寄り添ってくれます。
ハラスメント研修
ハラスメントは、良好な職場環境を保つために決して許されるものではなく、社員の精神的健康を守るためにも非常に重要なテーマです。 ビズアップ総研では、ハラスメントが企業・団体に及ぼす悪影響を様々な観点で学べる講座を多数ご用意しています。eラーニングで気軽に学べるe-JINZAIの2週間無料お試しID発行も行っておりますので、この機会にぜひご利用ください。
詳細・お申し込みはこちら相談者が抱くフキハラへの悩み
フキハラに該当する条件や前兆は、一般的にさまざまなケースが謳われています。
しかし、実際にその被害者となっているのかを、自分で確かめることができない場合があります。
「自分がそう思い込んでいるだけなのかな?」という、どっちつかずな状態に陥りやすいからです。
フキハラの相談をしにくい人は、以下のようなケースが考えられます。
被害者が自分だけかどうか
職場でのハラスメントとして受け止めているのは、自分ひとりだけなのかという点は大きいでしょう。
フキハラの場合、個人攻撃する場合もあれば、個人に関係なく周囲全体も迷惑している場合があります。まず、その点は確かめておく必要があります。
特定の個人に集中した嫌がらせをするのであれば、それはモラハラやパワハラに発展しているかもしれません。
いずれにしても、自分一人で悩んで思い詰めることだけはしないようにしましょう。
上司としての指導なのかどうか
態度や癖でフキハラを感じる場合は別として、上司の対応が威圧的かどうかの場合は、その内容が「指導」として相応しく公正なものかが問われます。
フキハラの悩みを言い出せない人は、上司の反応をどう受け止めればいいのか混乱しているからでしょう。そのような悩みを抱えているのなら、常に「記録」を残す作業が大切になってきます。
その日、自分と上司との間で何があったのかを具体的に日記のように書いておくこと、同時に、ボイスレコーダーやスマホの動画機能なども駆使して、エビデンスを取る習慣を持つことで、後々に大事な証拠となる場合があります。
このようなハラスメントの問題は、結局「言った・言わない」の曖昧な記憶違いで揉めてしまうものです。
そうならないためには、記録することを意識するようにしましょう。
周囲は見て見ぬふりしていないか
職場内のフキハラを、周囲の同僚などスタッフは見て見ぬふりをすることがあります。
迷惑なフキハラ上司の不快な態度を、知らないふりで誤魔化そうとするケースです。
誰しも余計なことに巻き込まれたくない気持ちはわかりますが、手遅れになる前に芽を摘んでおくことができなかったのでしょうか。
おそらくそのような職場は、フキハラが恒常化しているので危険な状態です。もちろん、自ら首を突っ込む必要はありません。冷静に観察し、その職場を離れる方法を模索するほうがよいでしょう。やがて、相談窓口や第三者へ、悩みを打ち明ける勇気が必要になることもあります。
フキハラ相談についての注意事項
フキハラに関する悩みを各種相談窓口に打ち明ける場合、必ず聞かれるような項目があります。
もし相談をするようなら、以下の内容について事前に受け答えできるように準備しておきましょう。
- 加害者との関係
- 主張したい事実関係の有無や相違点
- ハラスメントの詳細(いつ、どこで、なにがあったか)
- なぜそのような言動が起こったのか
- 加害者の行為の意識の有無
- 謝罪などの意思の有無
- 第三者・目撃者の有無
とくにこの中でも重要となるのは、証拠として提出できるものがあるかです。
ハラスメントの詳細でも、「いつ、どこで」が曖昧では、おそらく成立しなくなります。
周囲には誰がいたのかなども正確に伝えなければ、二次的被害に及んでしまいかねません。
先述したように、可能な限り録音・録画・記録をするように常に準備することです。
フキハラに関するおもな相談窓口
実際にフキハラに悩まされているが、社内に相談窓口がない場合、あるいは相談しても対応が悪い場合、下手をすると相談したことで不利になりそうであれば、会社以外の相談機関を利用しましょう。
以下のような機関がありますので、参考にしてください。
- 都道府県労働局雇用環境・均等部(室)
- 総合労働相談コーナー(各都道府県労働局及び労働基準監督署)
- みんなの人権110番(全国共通人権相談ダイヤル)
- 法テラス(日本司法支援センター)
- かいけつサポート
- カスタマーハラスメント・就活ハラスメント悩み相談室
まとめ
フキハラには、悪意でわざとおこなう場合と、無意識でやってしまう場合に区分できます。
また、どこまでが許容範囲なのかも個人差はあるので、明確に取り決めることが困難です。神経質になりすぎて、かえって相手との関係性がぎくしゃくするのもよくありません。
まずは、情報や知識を得て、周囲と情報共有をしておくことです。最悪な事態を招かないためにも、できる範囲がどこまでかを冷静に判断して実行するようにしましょう。
解決が困難で深刻な状況だと判断した場合、第三者、専門家へ相談する必要があります。そのためにも、普段から記録・録音・録画を心得て、証拠を掴むことを意識し準備に臨みましょう。