研修後に「何も覚えてない」をなくす!伝わる研修資料の作り方

企業研修の成功には、内容の質だけでなく、研修資料の作り方も重要です。適切なフォーマットを選び、効果的な配布方法を検討し、受講者の理解を深める工夫を施すことで、学習効果を最大限に高めることができます。本記事では、研修資料の作成方法について、フォーマットの選び方、配布方法、構成の工夫などを詳しく解説します。

目次

研修資料の役割と目的

研修資料は、単なる補助ツールではなく、学習効果を最大化するための重要な要素です。情報の整理や受講者の理解促進、研修後の復習資料としての活用など、多くの役割を担う研修資料は、視覚的にわかりやすい構成を意識することで、受講者が内容をスムーズに理解しやすくなります。以下に、研修資料の主な役割をまとめました。

研修資料の役割具体的な効果
情報の整理・視覚化図や表を活用し、複雑な内容を分かりやすく伝える
受講者の理解促進要点を明確にし、学習しやすくする
復習資料として活用研修後も内容を振り返ることができる
研修成果の定着ミニテストや書き込み欄を活用し、学びを深める

研修の目的に応じて、適切なフォーマットや配布方法を選ぶことが重要です。次の章では、具体的なフォーマットの選び方について解説します。

研修資料のフォーマット選び

研修資料のフォーマットには、主にPowerPoint(パワポ)Wordの2種類があります。それぞれの特性を理解し、研修の目的や内容に適したフォーマットを選ぶことが重要です。

PowerPoint(パワポ)で作成する場合

PowerPointは、視覚的に情報を整理しやすいのが特徴です。特にスライド形式のプレゼン研修で効果を発揮し、図やグラフを活用しながら要点を絞って伝えることで、受講者の理解を促進できます。

一方で、詳細な説明を記載するには不向きであり、受講者が後から読み返す際には情報が不足しがちです。そのため、プレゼン資料として利用する場合は、別途詳しい解説資料を用意するのが望ましいでしょう。

適した研修の例

  • リーダー研修や営業研修など、プレゼン形式の研修
  • 図解やグラフを多用する研修(デザイン研修、マーケティング研修 など)

Wordで作成する場合

Wordは、詳細な説明を記載できるため、受講者がじっくりと学ぶ必要がある研修に適しています。特に、社内ルールや法律関連の研修では、正確な情報を伝えることが求められるため、Word形式の資料が有効です。また、書き込み欄やミニテストを挿入しやすい点もメリットです。

ただし、プレゼン用としては視覚的なインパクトが弱いため、講師が説明する際には、スライド資料と併用することをおすすめします。

適した研修の例

  • 法律研修や社内ルール研修など、テキストベースの研修
  • 自己分析やワークが中心の研修(キャリア研修、マネジメント研修 など)

PowerPointとWordの併用も効果的

PowerPointでプレゼン用のスライドを作成し、Wordで詳細な解説資料を用意するという方法も有効です。例えば、プレゼンでは要点を伝え、配布資料としてWordの詳細解説を提供すれば、受講者が後から復習しやすくなります。

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研修資料の配布方法

研修資料の配布方法には、印刷資料PDFデータの2種類があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、研修の形式に応じて適切な方法を選びましょう。

印刷資料のメリットとデメリット

印刷資料は、受講者が直接メモを取りながら学習できるため、特にワークショップ形式の研修に適しています。しかし、印刷コストや配布の手間がかかる点がデメリットです。

メリットデメリット
メモが取りやすく、学習に集中できる印刷コストがかかる
視線を画面に奪われず、講師の話に集中しやすい配布の手間がかかる

PDFデータのメリットとデメリット

一方、PDFデータは、メールやクラウドで簡単に配布でき、ペーパーレス化にも貢献します。特にオンライン研修では、事前に資料を配布することでスムーズな進行が可能ですが、PCやタブレットが必要になるため、環境によっては不便に感じる受講者もいます。

メリットデメリット
配布が簡単で、ペーパーレス化できるメモを取りにくい
リンクを埋め込めるため、関連情報にアクセスしやすい画面サイズによっては見づらい

研修の形式や目的に応じて、印刷とPDFを使い分けることがポイントです。

研修資料の構成と工夫

研修資料の質を高めるためには、受講者の理解を促す工夫が必要です。ミニテストや書き込み欄を活用することで、学習内容の定着を図れます。

ミニテストの活用

ミニテストは研修の理解度をチェックするだけでなく、受講者が学んだ内容を定着させるためにも有効です。適切なタイミングでミニテストを取り入れることで、受講者が受け身にならずに積極的に学習に取り組むようになります。

ミニテストの目的】

  • 理解度の確認:受講者がどの程度内容を理解しているか把握する
  • 記憶の定着:復習の機会を増やし、学んだことを忘れにくくする
  • 学習意欲の向上:小さな成功体験を積み重ねることで、モチベーションを高める

ミニテストの形式】
ミニテストにはいくつかの形式があります。研修の内容や目的に応じて、適切なものを選びましょう。

形式特徴適した研修
選択式(○×・択一・複数選択)短時間で回答でき、集計しやすい基礎知識の確認(コンプライアンス研修など)
記述式(短文・穴埋め受講者が自分の言葉で考えられる応用力を試す研修(営業・マーケティング研修など)
ケーススタディ実際の業務を想定し、解決策を考えさせるリーダーシップ研修・問題解決研修

ミニテストは「テスト」と言っても、受講者にプレッシャーを与えるものではなく、学習をサポートするためのツールです。気軽に取り組める形にすることで受講者の負担を減らし、効果的な学習環境を提供できます。

書き込み欄の設置

書き込み欄を研修資料に取り入れることで、受講者が受け身の姿勢から能動的な学習へとシフトしやすくなります。自分の考えを言語化することは、知識の定着を促すだけでなく、実務に活かす際の準備にもなります。

【書き込み欄を設けるメリット】

学習内容の振り返りができる:学んだことを自分の言葉で整理し、理解を深められる
実務に落とし込める:自分の業務にどう活かすかを具体的に考えるきっかけになる
研修後の行動計画につながる:研修の成果を実際の業務に活かしやすくなる

【効果的な書き込み欄の例】

書き込み欄のタイプ具体的な内容適した研修
学びの振り返り「今日学んだことの中で、最も印象に残ったことは?」一般的な研修全般
実践計画の作成「学んだ内容を業務でどう活かすか?」スキルアップ研修、マネジメント研修
自己分析・強み弱みの整理「自分の得意なこと・改善すべき点は?」キャリア研修、リーダー研修

書き込み欄を活用することで、研修が一方的な情報提供にならず、受講者の積極的な学習を促すことができます。

まとめ

研修の成功には資料の質が大きく影響し、適切なフォーマットの選択や配布方法の工夫、学習効果を高める仕掛けの導入によって、受講者の理解度や実践力を向上させることが可能です。
特に、PowerPointとWordの使い分けは重要です。視覚的な情報伝達に優れプレゼン向きのPowerPointと、詳細な説明を含められる復習資料として有効なWordを組み合わせることにより、研修の効果を高めることができます。
また、研修の効果を高めるためには、内容だけでなく配布方法にも工夫が必要です。対面研修では印刷資料が適している一方で、オンライン研修ではPDFを用いることで事前配布や資料の共有が容易となり、さらにミニテストや書き込み欄を活用することで、受講者の学びを深め、実務への応用を促します。

効果的な研修資料を作成し、より実践的な学びの場を提供しましょう。