どんなことを書けば良い?研修レポートの書き方とコツを紹介

研修レポートは、研修を受けた後に学んだことや新たに得た知識・スキルを整理し、明確に表現するためのものです。
単に「学んだ内容をまとめる」だけでなく、研修での気づきをどのように自分の業務に活かすかを考え、記録する役割も担っています。

目次

研修レポートの目的

まず、研修レポートは以下のような目的を持っています。

  • 自己成長の振り返り:自分が学んだ内容や新しい視点について内省し、次のアクションにつなげる。
  • 研修の効果測定:受講者がどのような学びを得たかを確認し、研修の効果や改善点を見出す材料となる。
  • チームや会社への共有:学んだことをチームや上司に伝えることで、他のメンバーの学びや業務改善にもつながる。

研修で得た知識やスキルは、その時は記憶に残っていても、日常の業務に戻ると忘れてしまいがちです。レポートにまとめておくことで、後から見返し、知識やスキルを定着させる手助けにもなります。

研修後の気づきを記録する重要性

研修レポートを書く過程で、自分の学びや考え方を言語化することは、思考を整理し、理解を深めるうえで非常に重要です。また、レポートを作成する際に、「なぜこの研修内容が自分にとって価値があるのか」を再考することもでき、結果として成長意識を高める効果も期待できます。

研修レポートの基本構成

研修レポートを効果的に仕上げるためには、しっかりとした構成を考えることが大切です。どんなに良い内容があっても、構成が不十分だと読みにくく、伝わりにくくなってしまいます。ここでは、基本的な研修レポートの構成について説明します。

表紙やタイトルのつけ方

まず、研修レポートには表紙やタイトルをつけましょう。これはレポート全体の第一印象を決める要素です。具体的には次の情報を記載します。

  • タイトル:内容を簡潔に表すもの。例えば、「〇〇研修レポート」「〇〇スキル研修の学びと今後の活用」など。
  • 研修の日時と場所:研修がいつ、どこで行われたかを明記します。
  • 受講者情報:自分の名前や部署名、場合によっては役職も加えましょう。

本文の基本構成

研修レポートの本文は、次の4つの要素で構成すると読みやすく、論理的な流れが生まれます。

  1. 導入:研修の目的や参加理由を簡単に説明します。なぜその研修を受けたのか、自分の期待や動機を記述すると良いでしょう。
  2. 研修内容の要約:研修で学んだ内容を簡潔にまとめます。具体的な講義の内容やトピック、ワークショップの概要なども含めると、後で見返す際に理解しやすくなります。
  3. 学びや気づき:ここがレポートの核となります。研修で得た知識や、特に印象に残った内容、気づきなどを具体的に記述しましょう。「自分にとって何が新しかったか」「どんな知見が得られたか」を含めると、より深みが出ます。
  4. 今後のアクションプラン:学びを実務にどのように生かしていくかを具体的に書きます。例えば、「このスキルを使って業務改善を図る」「他のメンバーに伝えてチームで活用する」など、将来の行動につながる内容を記述しましょう。

文体や表現のポイント

研修レポートは、基本的に「です・ます」調で書くと丁寧で読みやすくなります。また、「私は」「自分は」といった一人称を使用するのも一般的です。必要以上に難しい言葉や専門用語を使わず、わかりやすい表現を心がけましょう。

研修内容を具体的に書くコツ

研修レポートの中で「研修内容の要約」を書くときは、単なる出来事の羅列ではなく、ポイントを押さえながら具体的に記述することが重要です。このセクションでは、研修内容をわかりやすく、かつ説得力をもって書くためのコツをご紹介します。

研修内容のまとめ方

研修内容を記述する際は、以下のポイントを意識すると読みやすくなります。

  • 重要なトピックに絞る:すべての内容を細かく書きすぎると、要点がぼやけてしまいます。特に重要だったトピックや、印象に残った内容に絞って記述しましょう。
  • 内容の順序を整理する:研修で学んだ内容が順序だてて記されていると、後から見直した際にわかりやすくなります。例えば、講義やワークの順番通りに書く、テーマごとにまとめるなど工夫をすると良いでしょう。
  • 具体例やエピソードを交える:特に印象に残った話や、具体的なエピソードがあれば、具体例として記述します。これによって、研修内容がよりリアルに伝わります。

客観的な情報と主観的な気づきのバランス

研修レポートは、客観的な事実と主観的な気づきのバランスが重要です。たとえば、次のような方法でまとめると、内容が深まり読み手にも意図が伝わりやすくなります。

  • 客観的な情報として、講義で話された内容や講師が強調していたポイントを記述する。
  • 主観的な気づきとして、特に印象に残った内容や、他の参加者とのディスカッションで得た気づきなどを補足する。

たとえば、「A講師が紹介した〇〇というフレームワークについて学びました」という客観的な情報に、「このフレームワークを使うことで、普段の業務で考えを整理しやすくなると感じました」という主観的な気づきを加えることで、具体的な学びがより伝わるレポートになります。

効果的に引用する

講師の言葉や研修資料からの引用も、内容を豊かにするために有効です。特に印象的なフレーズや、自分の学びに直結する表現があれば、「講師の〇〇さんが『~~』と仰っていたように」といった形で引用してみましょう。引用することで、他者の視点が加わり、自分の理解度がより深まっていることが伝わります。

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学びのまとめ方と応用への展望

研修レポートの中でも「学びや気づき」をまとめる部分は特に重要です。ここでの記述が深ければ深いほど、研修から得た知識やスキルを実務に活かすための道筋が明確になります。この章では、学びを効果的に記録し、応用への展望を持たせるための書き方を解説します。

具体的な学びや発見を表現する

研修で得た「学び」や「発見」を書くときは、抽象的な表現ではなく、できるだけ具体的な言葉で表現しましょう。以下の点を意識することで、読み手に伝わりやすい内容になります。

  • 事実と解釈を明確にする:「〇〇について学びました」という表現だけでなく、「〇〇という手法を学び、特に△△の場面で活用できると感じました」といったように、自分なりの解釈や理解を加えます。
  • 具体的な業務シーンを想定する:研修で学んだ内容を自分の業務にどのように活かすか、具体的な場面を想定して記述すると、説得力が増します。例えば、「クライアントとのミーティングで〇〇のフレームワークを使い、会話の整理をしてみたい」といった表現が効果的です。

自分の成長やスキルアップの視点で書く

研修での学びは、単に知識を増やすだけでなく、自分自身の成長につながるものです。そこで、自分がどのように成長できたか、どのスキルが向上したと感じているかも書き加えましょう。たとえば、「〇〇スキルが身についたことで、今後は△△の業務に対して自信を持って取り組めるようになった」というような表現で、自分の成長を記述します。

今後のアクションプランを明確にする

研修で得た学びを、日常業務でどのように実践するかを具体的に記述することは、レポートの質を大きく高めます。アクションプランを立てる際は、「〇〇のスキルを活用し、△△の改善を目指す」など、具体的で達成可能な目標を設定しましょう。

【アクションプランの例】

  • 短期的な目標:「まずは〇〇スキルを用いた方法で、今月の業務改善プロジェクトを実行する。」
  • 長期的な展望:「今後3か月を目処に、〇〇の知識を活かした新たな施策をチームで導入する。」

研修レポートを完成させる際のチェックポイント

研修レポートがほぼ書き上がったら、最終確認を行いましょう。以下のチェックポイントをもとに確認することで、読みやすく、伝わりやすいレポートに仕上がります。

誤字脱字の確認

まずは基本ですが、誤字脱字がないかを入念に確認しましょう。特に固有名詞や専門用語、研修内容に関わる重要な用語のミスは、印象を大きく損ねます。パソコンの「スペルチェック機能」や「文法チェック機能」を活用するのもおすすめです。

研修内容と学びのバランス

研修の要約部分と、自分の気づきや学びの割合が適切かどうかも確認しましょう。要約が長すぎると事実の羅列に終わり、学びが少なすぎると表面的な内容に見えてしまうため、全体の4割程度が研修内容の要約、6割程度が学びやアクションプランになるよう意識すると良いバランスです。

読みやすさや一貫性のチェック

研修レポートは、読む人がスムーズに理解できるよう、構成や表現の一貫性を持たせることが大切です。特に、以下の点に注意しましょう。

  • 段落ごとに主題が明確か:各段落がひとつのテーマに絞られているか確認します。
  • 見出しや強調:適切な見出しや箇条書きを使用し、読み手が内容を追いやすくしているか。
  • 主語と述語の一貫性:一人称が混在していないか、文体がぶれていないかをチェックし、統一感を持たせます。

最後に読み返す

仕上げとして、全体を通して声に出して読み返してみると良いでしょう。声に出すと、表現の不自然な部分や、わかりにくい箇所が見つかりやすくなります。また、自分以外の人に読んでもらい、第三者の視点で確認するのも効果的です。

よくある質問(FAQ)

ここでは、研修レポートを書く際に悩みがちなポイントについて、FAQ形式で解説します。よくある疑問を一つずつクリアにして、スムーズに研修レポートを仕上げましょう。

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研修レポートはどこまで詳しく書けばいいですか?

研修レポートは、研修全体を細かく再現する必要はありません。自分にとって特に印象に残った内容や学びを中心に、要点を絞って書きましょう。例えば、全体の内容を5〜6割程度に抑え、残りは自分の感想や気づきに使うとバランスが良くなります。

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内容を忘れてしまった場合はどうしたら良いでしょうか。

研修後にすぐメモを取っていない場合や、時間が経って内容があいまいになってしまったときは、配布資料やスライド、手元のメモを見返しましょう。また、同僚や参加者と感想を共有することで、記憶が呼び起こされることもあります。

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学んだことをうまく表現できない時はどうしたらいいでしょうか?

学びを言葉にするのが難しいと感じたときは、「どの場面で」「どのように役立ちそうか」を具体的にイメージすることがポイントです。例えば、「普段の会議で〇〇を使うと△△が改善できる」といったふうに、実際の業務シーンに当てはめて考えると書きやすくなります。

まとめ

研修レポートは、単なる学びのまとめではなく、自分の成長や今後の行動計画を明確にするための重要なツールです。適切な構成や具体的な表現、見やすい形式でまとめることで、効果的なレポートが完成します。今回紹介した構成やポイントを参考にして、自信を持って提出できるレポートを仕上げましょう!