なんだか気まずい…先輩・上司より先に帰るのはNG?

なんだか気まずい…先輩・上司より先に帰るのはNG?

定時になって自分の仕事もひと段落。ふと周囲を見ると、まだ先輩や上司がデスクに向かって仕事をしている…。そんな時、「もう帰っていいのだろうか?」「失礼にあたらないかな?」と戸惑った経験がある人も多いのではないでしょうか。

特に新入社員や若手社員にとって、職場の空気や暗黙のルールは非常に気になるところです。「定時で帰れると聞いていたけれど、実際にはみんな残っていて気まずい」「無言で席を立つのは勇気がいる」といった声もよく聞かれます。

この記事では、先輩や上司より先に帰ることは本当に問題なのか?という疑問に向き合いながら、気持ちよく退勤するためのマナーや心がけについて解説していきます。

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目次

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定時退社はルール違反ではない

まず大前提として、就業規則で定められた勤務時間を終えたあとに退社すること自体には何の問題もありません。会社としても、残業を前提としない働き方を推進している企業は年々増えています。

また、「長く会社にいる=評価が高い」という価値観も、徐々に薄れつつあります。限られた時間で効率よく業務をこなすことが、今やビジネスパーソンとしての重要な能力とされています。定時で仕事を終えることに、引け目を感じる必要はありません。

とはいえ、職場には人間関係があり、空気を読むことも時に必要です。「誰も声をかけずに帰っていった」「知らない間にいなくなっている」といった印象を与えないよう、配慮ある行動が求められます。

先に帰る際に気をつけたいこと

声かけは基本のマナー

周囲より先に退社する場合は、一言「お先に失礼します」と伝えることが大切です。
この挨拶は形式的なものではありますが、周囲に対する感謝や配慮の気持ちを表すためにも欠かせません。特に直属の上司には、ひと声かけるよう意識しましょう。

たとえば、「今日は〇〇の案件が一区切りついたので、これで失礼します」などと一言添えると、業務が完了していることも伝えられ、自然な形での退社ができます。挨拶をすることで、「仕事を放り出して帰ったのでは?」という誤解を避けることができ、翌日のコミュニケーションもスムーズになります。
特に忙しい時期には、一人だけ先に帰ることに敏感になる人もいるため、丁寧な声かけが信頼を守るポイントになります。

仕事が終わっていることを明確にする

たとえば隣の席の先輩が明らかに忙しそうにしている場合、退社時にひと声かけることで印象は大きく変わります。

「お疲れさまです、何かお手伝いできることありますか?」という一言だけでも、気配りのある後輩として信頼を得られるでしょう。無理に残る必要はありませんが、周囲への気遣いがあるかどうかが、社会人としての評価につながることもあります。
たとえ手伝えることがなくても、気にかけている姿勢が伝われば、それだけで職場の雰囲気が良くなります。
このような小さなコミュニケーションが、普段の関係性づくりにもつながっていきます。

「帰りづらい空気」への向き合い方

「暗黙の了解でみんな残っている」「帰ると言いづらい」という雰囲気がある職場では、気を使いすぎて毎日残業が常態化してしまうこともあります。

そうした空気に流されてしまうと、本来の働き方改革の目的から離れてしまいます。まずは自分自身が業務を効率よくこなすことに意識を向け、堂々と定時退社できるような行動を心がけましょう。

空気に流されず、自分の働き方を大切にする

「なんとなく周りが残っているから帰りづらい」と感じているうちに、無意識に毎日残業を続けてしまうことがあります。しかし、職場の雰囲気に合わせすぎると、本来目指すべき効率的な働き方やワークライフバランスが崩れてしまいます。

まずは自分の業務をきちんと終わらせることに集中し、終わったら堂々と帰るという姿勢を持つことが大切です。「決してサボっているわけではない」という自信が、周囲の空気に流されずに行動する力になります。

周囲への気配りを忘れず、誠意をもって行動する

気まずさの原因は、実は「無言で席を立つ」「黙っていなくなる」といった“伝え方”にあることも少なくありません。定時で帰ること自体よりも、その際にどんな態度を取るかが重要です。

たとえば、「今日は業務を終えたので、これで失礼します」と丁寧に伝えるだけで、周囲の受け止め方は大きく変わります。一言の挨拶や、ちょっとした気遣いが、気まずさを和らげる一歩となります。

職場の雰囲気は、相談と行動で少しずつ変えられる

もし職場全体が「先に帰りづらい空気」に包まれているなら、自分ひとりで悩み続けるのではなく、思い切って上司や先輩に相談してみるのもひとつの手です。

「残っていると気になってしまって…」「もう帰っていいのかわからなくて…」と正直に話してみれば、意外と「そんなに気を使わなくて大丈夫」と返ってくることもあります。後輩の声をきっかけに、職場の雰囲気が少しずつ変わっていくこともあるのです。

退社ができない雰囲気の場合は、会社に問題があることも

職場に「先に帰りづらい」「誰も定時に帰らない」という雰囲気がある場合、個人の気遣いや配慮だけではどうにもならないケースもあります。特に、「残っている人=頑張っている人」という古い評価基準が根強く残っている職場では、定時退社が“やる気がない”と誤解されることも少なくありません。

もし、上司からの無言の圧力や、誰かが帰ると「もう帰るの?」という空気が繰り返されるようであれば、それは職場環境や組織の文化そのものに問題がある可能性があります。本人がどれだけ気を使っても、構造的に退社しにくい仕組みになっていれば、ストレスはたまる一方です。

こうした場合には、人事やコンプライアンス窓口などに相談する選択肢も視野に入れるべきです。「気まずさ」では済まされないレベルの働き方が常態化していないか、自分を守る視点も大切にしましょう。

まとめ:気まずさを減らすのは“コミュニケーション”

先に帰ること自体は悪いことではありませんが、その時にどう振る舞うかが大切です。ポイントは、「報告・挨拶・配慮」の3つを意識することです。

  • 自分の仕事が終わっていることをきちんと確認する
  • 「お先に失礼します」と一声かける
  • 周囲の状況に少し気を配る

これらを丁寧に行えば、たとえ先輩や上司より先に帰ったとしても、後ろめたさを感じず、堂々と退社できるようになります。

社会人として信頼される行動は、小さな積み重ねから生まれます。毎日の退社も、その一つとして丁寧に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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