【サービス・接客業向け】新人でも安心の電話・メール応対術

お客様と直接会う前に、最初に触れる「窓口」が電話やメールであることをご存知でしょうか?
飲食店、美容室、旅館、アパレルショップ…。どんな業種でも共通するのは、「お客様は来店する前に、電話やメールでサービスの雰囲気を判断している」ということです。
例えば、予約の電話をしたときに名前も名乗らず無愛想な声で対応されたら──お客様はその店を選ぶでしょうか?
また、問い合わせメールの返信が遅く、文章がそっけなかったら──「このお店、大丈夫かな」と不安にさせてしまいます。
サービス業において、電話とメールは“接客の第一歩”。本記事では、現場で起きやすい課題を取り上げながら、接客業で活かせる電話・メールマナーの基本と、実践のポイントをご紹介します。
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目次
- サービス業における電話・メールの役割
- 電話応対の基本マナーと実践ポイント
- 携帯電話・スマホ利用時のマナー
- メールマナーの基本と改善ポイント
- 顧客満足度を高めるスキルを研修で学ぶ
- まとめ:接客は第一声・一文から始まっている
サービス業における電話・メールの役割
サービス業では、電話やメールが「接客の入口」であり、場合によっては「来店を決める決定打」になります。特に初めてのお客様にとっては、電話対応や返信メールが「お店の印象そのもの」なのです。
たとえば以下のようなやりとりが日常的に起こっています。
- 「今夜、2名で空いていますか?」という予約電話
- 「アレルギー対応できますか?」という問い合わせメール
- 「場所が分からないのですが…」という道案内の電話
- 「ギフト包装できますか?」という注文前の確認
これらの場面で、言葉づかいや声のトーン、返信の速さや丁寧さが、そのまま「接客の質」として評価されます。
反対に、対応が曖昧だったり、不親切に感じられたりすると、そのお客様は来店しない可能性が高くなるのです。
現場でよくある課題と、その影響を以下にまとめました。
よくある課題 | お客様への印象や影響 |
---|---|
電話で名乗らず無愛想な対応をしてしまう | 「冷たいお店」「感じが悪い」と思われる |
お客様の名前や希望時間を聞き返せない | 予約や対応ミスにつながる |
メール文がぶっきらぼうで温かみがない | 「機械的」「心がこもってない」と感じる |
返信が遅く、お詫びもない | 信頼を失い、別の店に流れてしまう |
おもてなしは、対面だけで完結するものではありません。最初の一言、一文から接客は始まっていることを意識する必要があります。
電話応対の基本マナーと実践ポイント

電話応対は、サービス・接客業において「見えない接客」と言える大切なスキルです。直接顔が見えないからこそ、声の表情・言葉づかい・反応の速さがすべてを決めます。
電話を受けるときの対応
まず、電話が鳴ったら3コール以内に出ることを基本としましょう。それ以上かかってしまった場合は、開口一番「お待たせいたしました」と一言添えることが信頼感につながります。
受話器を取る際の姿勢も大切です。背筋を伸ばし、顔を上げ、表情は笑顔に。声にその笑顔がにじみ出て、お客様に安心感を与えます。
■ 応対の基本例(来店予約の電話)
お客様「はい、○○ですが、今日のディナーで予約をしたいんですが…」
スタッフ「ありがとうございます。○○レストランでございます。ご予約をご希望とのことですね。かしこまりました。お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
ここで重要なのは、「ありがとうございます」や「かしこまりました」といったクッション言葉を挟むことです。無愛想に「名前は?」と聞いてしまうと、お客様は委縮してしまいます。
さらに、情報の復唱確認も忘れずに行います。
スタッフ「○月○日、19時に2名様で、○○様のご予約を承りました。当日はお気をつけてお越しくださいませ。」
このように、会話の締めくくりも明るく丁寧に行うことが印象を大きく左右します。
■ クレーム対応時の応対例
お客様「先日テイクアウトした商品が、注文と違っていたんですけど」
スタッフ「申し訳ございません。○○店、佐藤が承ります。ご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。詳細をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
ここでは、謝罪→名乗り→共感→確認という流れを守ることが大切です。間違っても「確認してみないと分かりません」などの突き放す言い方はNGです。
電話をかけるときの準備と姿勢
電話をかける際には、「こちらから相手の時間をいただいている」という意識が大切です。飲食店であれば、予約の確認、美容室であれば前日確認のリマインドなど、業務に応じてスタッフが能動的に連絡する場面も多いでしょう。
■ 事前の準備
- 話す内容を箇条書きにしておく
- 必要であれば資料や予約情報を手元に用意
- 相手が出たら、「お時間よろしいでしょうか?」と確認
■ 電話のかけ方例(予約確認)

相手が出られない場合の対応も備えておきましょう。

対応マニュアルだけでなく、「お客様の気持ちを汲み取る応対力」が求められるのがサービス業の電話対応です。
携帯電話・スマホ利用時のマナー
現代の接客現場では、スタッフが携帯電話やスマートフォンでやり取りするケースも増えています。しかし便利な反面、気をつけるべきマナーの落とし穴もあります。
たとえば、こんな場面を思い浮かべてください。
- ホールで接客中に、ポケットのスマホが鳴っている
- 通勤中の電車でお客様からの電話に出て、周囲に会話が聞かれてしまった
- 個人のLINEで連絡を受け、プライベートと混同してしまう
これらはすべて、お店の信用やお客様の安心感を損なうリスクがあります。
接客中はマナーモード、私用スマホは原則持ち込まない、連絡手段は公式アプリや店舗用端末を使用するなど、ルールを明確にすることが重要です。
また、業務中にスマホを使う場合でも「お待たせいたしました」「確認いたしますので、少々お時間をいただいてもよろしいでしょうか」といった丁寧な対応を忘れずに。
メールマナーの基本と改善ポイント

対面や電話に比べて、メールは「感情が伝わりにくい」コミュニケーション手段です。そのため、文章のトーン、言葉選び、返信のタイミングが大きく印象を左右します。
接客業においては、問い合わせメールや予約の返信など、お客様との接点となるメールが増えています。だからこそ、単なる定型文ではなく“人が書いている”温かさが必要なのです。
予約メール返信の例(飲食店)
件名:【ご予約承りのご連絡】○月○日 ○○様
○○様
このたびはご予約のお問い合わせをいただき、誠にありがとうございます。
○月○日(○)18時より、2名様にてお席をご用意させていただきました。
アレルギーやご要望等がございましたら、お気軽にご連絡くださいませ。
当日、お会いできますことを楽しみにお待ちしております。
○○レストラン 担当:山本
このように、感謝・具体性・親しみ・配慮を盛り込んだ文面は、お客様に「丁寧に対応してくれるお店だな」と思ってもらえます。
よくある失敗例とその改善
NGメール内容 | 改善案 |
---|---|
「予約承りました」だけの簡素な文 | 「ご予約ありがとうございます。○名様、○時にて承っております。」と詳細を記載 |
件名が「無題」 | 件名に【○○の件】を明記して視認性を上げる |
誤字脱字の多い文 | 送信前に必ず見直し、できれば上司や先輩によるダブルチェックも |
返信が2日後、特に断りもなし | 遅れる場合は「返信が遅くなり申し訳ございません」と一言添える |
メールでもサービス精神を忘れず、「読みやすさ・丁寧さ・誠実さ」を意識しましょう。書き慣れていない場合は、定型文をカスタマイズして活用するのもおすすめです。
顧客満足度を高めるスキルを研修で学ぶ
サービス・接客業では「人」で差がつきます。商品の価格や味、内装は他店と大差がなくても、「あの人の対応が良かったからまた行こう」と思ってもらえるのは、接客の印象が記憶に残るからです。
ところが、現場ではこんな悩みがよく聞かれます。
- 新人スタッフが電話を取るのを怖がる
- 店長が対応に追われていて応対の教育まで手が回らない
- メール返信が人によってばらばらで、品質にムラがある
このような状況を改善するために、研修は非常に効果的です。
研修による5つのメリット
- 全スタッフの対応品質が均一化される
→ 顧客満足度が安定し、クレームが減少 - 新人・若手の不安が解消される
→ 自信を持って電話・メール対応ができるようになる - 社内のコミュニケーションも円滑になる
→ 丁寧な言葉づかいが職場の雰囲気を良くする - 実際の会話や文面を使ったロールプレイで即実践
→ 理屈だけでなく「できるようになる」研修内容 - 現場に合わせた指導が可能
→ 飲食・美容・宿泊など業種別で応用が利く
まとめ:接客は第一声・一文から始まっている
「接客」は、ドアを開けてお迎えするその前から始まっています。
- 電話の第一声で「行ってみたいお店」になる
- メールの一文で「信頼できそう」と感じてもらえる
そしてそれは、売上やリピーター獲得、口コミでの評価にも直結します。
丁寧な電話応対と、心のこもったメール対応。その一つひとつが、お客様の期待を超える体験につながります。
現場で忙しい日々の中でも、「丁寧に伝える」ことを忘れない。それが、サービス業で選ばれ続ける秘訣です。
接客力を高める電話・メール研修
電話やメールは、自社に対する顧客や取引先の印象を左右する重要なコミュニケーションツールです。言葉の選び方や声のトーンひとつで、相手に与える印象は大きく変わります。顔が見えない分、より丁寧な対応や的確な情報提供が求められます。一方で、予期せぬ質問や緊急対応を迫られることもあり、臨機応変に課題を処理するスキルも必要となってきます。この研修では、電話対応における基本的なマナーや、好印象を与える話し方やメールの書き方などを学び、さまざまな場面で適切に対応するための実践的なスキルを身につけます。
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