カスタマーエンゲージメントとは?初心者向けにわかりやすく解説

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「カスタマーエンゲージメント」という言葉はマーケティングの現場やビジネス書籍でよく見かけますが、初心者にとっては少し難しく感じられるかもしれません。直訳すると「顧客とのつながり」ですが、単なるつながりではなく、企業と顧客が信頼や感情で結ばれ、継続的に関わり合うことを意味します。
近年は「VUCA(ブーカ)」と呼ばれる変化が激しく不確実な時代です。新規顧客を獲得するだけではなく、既存顧客との関係を深めることが企業の成長や安定につながります。本記事では初心者向けに、カスタマーエンゲージメントの基本と重要性をわかりやすく解説していきます。
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目次
- カスタマーエンゲージメントとは
- なぜカスタマーエンゲージメントが重要なのか
- カスタマーエンゲージメントの構成要素
- カスタマーエンゲージメントが生む4つの価値
- カスタマーエンゲージメントを高める戦略
- まとめ
カスタマーエンゲージメントとは

カスタマーエンゲージメントを理解するには、まず従来のマーケティングとの違いを押さえることが大切です。これまでのビジネスは「売ること」に焦点を当ててきましたが、今は「顧客と一緒に価値をつくること」が求められています。
取引から関係性へ:マーケティングの変化
従来の取引型マーケティングでは、商品を販売した時点で企業と顧客の関係は一区切りでした。しかし現代では、購入後の体験や口コミが新たな価値を生み出します。SNSでの発信やレビューは、別の顧客の購買行動に直結する重要な要素です。つまり顧客は受け身の存在ではなく、企業の活動を広げる「パートナー」として位置づけられています。
リレーションシップマーケティングとの違い
リレーションシップマーケティングも顧客との長期的な関係を重視しますが、カスタマーエンゲージメントはさらに一歩踏み込みます。顧客が意見を出したり、サービス改善に協力したりすることで、企業の成長に直接関わるのです。単なる「満足度向上」から、「顧客参加による価値共創」へと進化している点が大きな違いです。
なぜカスタマーエンゲージメントが重要なのか
「顧客との関係を深めることは大事」と言われても、初心者にとっては抽象的に感じるかもしれません。そこで、今なぜエンゲージメントが必要なのかを整理します。
VUCA時代と顧客とのつながり
VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)が進む中、新規顧客の獲得だけに依存するのはリスクが大きい戦略です。経済環境や消費者ニーズが急速に変わるため、安定した収益を確保するには既存顧客との信頼関係を強化する必要があります。顧客が「この企業なら安心」と感じれば、変化の激しい時代でも選ばれ続けます。
既存顧客を大切にする理由
新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するコストの5倍以上かかると言われています。だからこそ、既存顧客が継続的に商品を購入し、さらに他者に紹介してくれる仕組みを作ることが重要です。たとえばファンがSNSで自然に商品を紹介すれば、広告費をかけずに新規顧客が増えていきます。この「つながりの効果」こそ、カスタマーエンゲージメントの大きな魅力です。

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カスタマーエンゲージメントの構成要素
エンゲージメントは一言で説明できるものではなく、いくつかの側面が重なり合って形づくられます。初心者が理解しておくべき基本要素を4つに整理します。
認知・感情・行動・社会の4つの側面
- 認知的側面:ブランドや商品をどれだけ知っているか
- 感情的側面:信頼・共感・愛着といった心理的なつながり
- 行動的側面:購買、口コミ投稿、イベント参加などの具体的行動
- 社会的側面:コミュニティやSNSで他の顧客と交流する活動
これらは連鎖的につながっています。たとえば、商品知識(認知)が深まれば愛着(感情)が芽生え、やがて口コミ投稿(行動)につながり、コミュニティでの交流(社会)に広がるという流れです。
顧客理解を深めるための測り方
初心者が最初に取り組みやすいのは、アンケートやSNSの反応を分析する方法です。どの投稿に「いいね」が多いか、どのページで滞在時間が長いかといったデータから、顧客の関心や感情を読み取れます。さらに一歩進めたい場合は、Google Analyticsやソーシャルリスニングツールを使えば、行動や意見をより体系的に把握できます。小さなデータからでも始められる点が初心者には心強いポイントです。
カスタマーエンゲージメントが生む4つの価値
エンゲージメントを高めることは、単に「顧客が離れにくくなる」以上の効果をもたらします。企業にとって大きな資産となる4つの価値を理解しておきましょう。
顧客生涯価値と紹介価値
まず「顧客生涯価値(CLV)」は、1人の顧客が長期的に企業にもたらす利益です。購入単価や購入頻度が上がれば、同じ顧客から得られる収益が大きくなります。
次に「顧客紹介価値(CRV)」は、顧客が友人や家族に商品をすすめることで生まれる価値です。SNS時代では1つの投稿が数百人に届き、広告に匹敵する効果を生み出すこともあります。
顧客影響価値と知識価値
「顧客影響価値(CIV)」は、口コミやレビューを通じて他の人の購買意欲を左右する力です。好意的なレビューは購買の後押しとなり、逆に不満の声は改善のヒントになります。
最後に「顧客知識価値(CKV)」があります。これは顧客の体験や意見そのものが企業にとって貴重な知識となるという考え方です。商品改善のアイデアや新サービスの発想は、実際に使っている顧客の声から生まれることが多いのです。
カスタマーエンゲージメントを高める戦略

ここまでで、カスタマーエンゲージメントの重要性や価値が理解できたと思います。次に、初心者が実務に活かすためにどのような戦略があるのかを見ていきましょう。
双方向コミュニケーションの大切さ
エンゲージメントを高める基本は、顧客との「対話」です。一方的な広告や告知ではなく、SNSでのコメント返信やオンラインイベントを通じて顧客の声を拾い上げることが大切です。顧客が「自分の意見が企業に届いている」と感じれば、信頼感と愛着が深まります。
さらに、データを使ったパーソナライズも有効です。購買履歴や閲覧履歴から「この人はこういう商品に興味がありそうだ」と予測し、適切なタイミングで情報を届けると、顧客は「自分のことを理解してくれている」と感じやすくなります。
eラーニングで基礎を学び実務に活かす方法
カスタマーエンゲージメントを実務に取り入れるには、まず正しい知識を身につけることが欠かせません。eラーニングなら場所や時間を選ばず、自分のペースで学べます。
初心者におすすめなのは以下の3ステップです。
- 基礎講座:エンゲージメントの定義や歴史を理解する
- 応用講座:データ分析やSNS活用の具体的手法を学ぶ
- ケーススタディ:成功事例や失敗事例から実務に役立つ知識を得る
まとめ
カスタマーエンゲージメントとは、顧客と企業が一方的な関係ではなく、信頼や感情を通じて「共に価値をつくる」取り組みを指します。初心者がまず理解すべきポイントは以下の通りです。
- 顧客は単なる購入者ではなく、企業と価値を共創する存在であること
- 認知・感情・行動・社会という4つの側面が連動してエンゲージメントを形成すること
- 長期的な価値(CLVやCRVなど)を高めることで、企業の持続的な成長につながること
そして、知識を実務で活かすためには体系的に学ぶことが必要です。eラーニングを活用すれば、初心者でも基礎から応用まで段階的に習得でき、実践に役立てやすくなります。
カスタマーエンゲージメントは一過性の流行ではなく、企業と顧客の未来をつくる鍵です。まずは基礎を押さえ、小さな実践から始めてみましょう。
サービス業務共通プロセス研修
カスタマーエンゲージメントとは、企業と顧客の間の関係の親密さを表す概念です。対面はもちろん、メールやチャットを通じて顧客との信頼関係を築くことで、リピート率の向上や解約率の低下、新規顧客の獲得などにつながります。本研修では、さまざまなチャネルにおける顧客との関係を友好的に構築し、それを強化していく方法を習得できます。顧客の要望やクレームに素早く対応するためのポイントや顧客との接点を洗い出す方法、顧客体験を向上させるメソッドなども習得できます。
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