教学IRの担当になったら?Excelで始めるデータ分析と質保証の第一歩

大学職員のための教学IRデータ分析力

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「来年度から教学IRの担当をお願いしたい」 突然の辞令に、戸惑っている大学職員の方は少なくありません。

18歳人口の減少や大学全入時代を背景に、大学経営において「教学IR(Institutional Research)」の重要性は急速に高まっています。しかし、現場では「そもそもIRとは何か」「手元のデータをどう分析すればいいのか分からない」という悩みが尽きません。

この記事では、教学IRが求められる背景から、多くの担当者が直面する実務の壁、そしてExcelを使って基礎から着実にデータ分析力を身につける方法について解説します。専門的な統計知識がなくても大丈夫です。まずは「データと向き合う第一歩」を踏み出しましょう。

教学IR担当者の「あるある」悩みチェック

あなたは今、こんな不安を抱えていませんか?

  • 「データを分析して」と言われたが、何から始めればいいか分からない
  • 文系出身で数字に弱く、統計ソフトなんて使える気がしない。
  • 学内にデータは沢山あるが、バラバラで整理されていない。
  • 分析結果をどうやって大学の意思決定や改善に繋げればいいのか見えない。

目次

なぜ今、大学に「教学IR」が求められるのか?

かつての大学運営は、教職員の「経験」や「勘」に頼る部分が大きくありました。しかし、社会環境の激変に伴い、客観的な根拠(エビデンス)に基づいた意思決定、いわゆるEBPM(Evidence Based Policy Making)への転換が急務となっています。

内部質保証と選ばれる大学づくり

文部科学省が推進する「内部質保証」の実質化において、教学IRはエンジンの役割を果たします。 学生の入学前から卒業後までのデータを収集・分析し、「教育の成果は上がっているか?」「退学予備軍へのケアは適切か?」を可視化すること。それが教育の質を向上させ、結果として受験生や社会から「選ばれる大学」になるための必須条件となっているのです。

多くの大学職員が直面する「IR実務」3つの壁

重要性は理解していても、いざ実務となると高いハードルが存在します。多くの担当者がぶつかる「3つの壁」を見てみましょう。

1. 「問い」が立てられない

ただデータを集計するだけではIRになりません。「何のために分析するのか?」「どの数値を改善したいのか?」という目的(問い)の設定が曖昧なまま作業に入ってしまい、膨大なデータの中に埋もれてしまうケースが多発しています。

2. スキルへの不安(Excel・統計)

「IRには高度な統計解析やプログラミング(PythonやRなど)が必要なのでは?」という誤解が、心理的な障壁になっています。 実際には、現場レベルの課題発見の多くは、Excelを用いた基本的な集計やクロス分析で十分に対応可能です。しかし、その「正しいExcelの作法」や「分析の基礎」を体系的に学ぶ機会が学内にはほとんどありません。

3. データの「収集・管理」の難しさ

学務システム、入試データ、就職支援システムなど、学内のデータは形式も保管場所もバラバラです。これらを「分析可能な状態」に整理(クレンジング)する段階で挫折してしまうことも少なくありません。定量的データだけでなく、学生の声などの定性的データをどう扱うかも悩みどころです。

現場で使えるIRスキルを効率よく身につける方法

これらの壁を乗り越えるためには、独学で試行錯誤するよりも、「大学IRのプロ」から体系的なノウハウを学ぶのが最短ルートです。

特に、多忙な大学職員にとっては、業務の合間に自分のペースで学習でき、かつ「概念論」だけでなく「明日の業務で使えるExcelスキル」まで網羅された学習プログラムが理想的です。

そこで推奨されるのが、大学教職員向けの人材育成に特化したeラーニングの活用です。

e-JINZAI「大学IRプロフェッショナル養成講座」が選ばれる理由

数ある学習ツールの中で、なぜ今、e-JINZAIの「大学職員のための教学IRデータ分析力(基礎編)」が多くの大学職員に選ばれているのでしょうか。その理由は、徹底して「現場の実務」に寄り添ったカリキュラム設計にあります。

1. 現役のIR実務家・竹中喜一先生(愛媛大学:収録当時)が登壇

本講座の講師を務めるのは、愛媛大学 教育・学生支援機構の准教授(収録当時)であり、大学IRの最前線で活躍する竹中喜一先生です。 理論上の空論ではなく、「実際の大学現場でどのようなデータが扱われ、どのような課題が発生するか」を知り尽くした講師から、実践的な知見を学ぶことができます。

2. 「Excel」で完結するから、明日から使える

多くの初心者が躓くのが、R言語やPythonといったプログラミング言語、あるいは高価な統計ソフトの習得です。 しかし、本講座は「Excel」での分析をメインに据えています。

  • Excelで分析する際の基本的な注意点
  • ピボットテーブルを使わないクロス集計の手法
  • 基本統計量の求め方

これらは、特別なソフトを導入せずとも、今ある環境ですぐに実践できる技術です。「これなら私にもできる」という手応えこそが、IR担当者としての自信に繋がります。

3. 「概念」から「レポーティング」まで体系的に網羅

単なるExcel操作の解説ではありません。「そもそもIRとは何か」という基礎概念から始まり、データの集め方、分析、そして最も重要な「意思決定につなげるための報告(レポーティング)」までを、約2時間の動画で凝縮して学べます。

以下は、本講座の具体的なカリキュラム内容です。

📊 カリキュラム(基礎編)
19分 教学IRとは何か IR実践の5つのステップ、IR実践のための7つの指針
24分 教学IRデータの収集と管理 定量的データと定性的データ、教学IRデータの種類と扱い方
29分 教学IRデータ分析の基礎 Excelで分析する際の基本的な注意点、Excelで基本統計量を求める
17分 教学IRデータの集計 Excelでのクロス集計、単純集計とクロス集計の違い
23分 教学IRデータを意思決定につなげる グラフの見せ方のポイント、レポーティングの重要性
参照:e-JINZAI「大学IRプロフェッショナル養成講座」

まとめ:データを武器に、大学の未来を拓く人材へ

教学IRは、単なる「数字いじり」ではありません。 学生一人ひとりの成長を可視化し、教育プログラムの課題を発見し、より良い大学づくりへと繋げる——まさに大学経営の羅針盤を作る仕事です。

最初は「数字が苦手」「Excelが怖い」と感じるかもしれません。しかし、基礎から正しい手順で学べば、データは必ずあなたの強力な味方になります。 まずはe-JINZAIの講座で、「Excelで始める教学IR」の第一歩を踏み出してみませんか? その一歩が、あなたのキャリアと大学の未来を大きく変えるはずです。