2026年労務リスク|法改正見送りと必須のコンプライアンス対策
2026年、企業の人事労務担当者はかつてない「判断力」を試されています。 一方で「労働基準法の大改正が見送り」との報道があり、他方では「労働安全衛生法の義務化強化」や「障害者雇用率の引き上げ」が確実に迫っています。「結局、うちは何を優先すべきなのか?」――そんな悩みを抱える実務担当者も多いのではないでしょうか。
法改正の過渡期である今、企業に求められるのは「法令が変わるのを待つ」姿勢ではなく、「自社のリスクを能動的に管理する」コンプライアンス体制です。本記事では、2026年の労務トレンドを整理し、変化に揺らがない強い組織を作るための具体的施策について解説します。
労務コンプライアンスの実現に向けて
動画数|4本 総再生時間|66分
採用から退職までの労務リスクや規程整備、多様性対応を網羅的に学習。現場の課題解決と健全なコンプライアンス体制構築に向けた実践力を養成します。
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- 2026年の労務管理はどう変わる? 法改正とトレンドの現在地
- なぜ今、「労務コンプライアンス」の再構築が必要なのか
- 【解決策】実務直結のeラーニングで体制を強化する
- 持続可能な組織づくりに向けて
- まとめ
2026年の労務管理はどう変わる? 法改正とトレンドの現在地
2026年1月現在、労務管理を取り巻く環境は「規制強化」と「自主対応」が入り混じる複雑な状況にあります。最新のニュースと話題から、企業が押さえるべき重要ポイントを紐解きます。
労基法改正見送りが示唆する「企業の自主対応」
高市政権下において、注目されていた労働基準法の大改正(14日以上の連続勤務禁止や勤務間インターバルの義務化など)の通常国会への提出が見送られました。このニュースを聞いて「対応しなくて良くなった」と安堵するのは時期尚早です。
これに伴い、法的義務による強制力が働かない分、企業ごとの「自主的な労務管理能力」がより厳しく問われることになります。実際、経営者の86.3%が規制緩和に賛成するというアンケート結果もあり、柔軟な働き方が広がる一方で、過重労働や健康被害が発生した場合の社会的制裁(レピュテーションリスク)は、これまで以上に大きくなるでしょう。法規制がないからこそ、自社で高い倫理観に基づいたルール(コンプライアンス)を敷けるかが、企業の質を決定づけます。
待ったなしの対応(安衛法改正・障害者雇用率引き上げ)
一方で、明確に対応期限が迫っている分野もあります。
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2026年1月〜段階施行
労働安全衛生法の改正
個人事業者に対する安全衛生対策や、化学物質規制の強化が焦点です。特に多様な契約形態の働き手が混在する職場では、指揮命令系統に関わらず「同じ場所で働く人」の安全と健康を守る配慮義務が強化されています。
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2026年7月施行
障害者雇用促進法の改正
民間企業の法定雇用率が2.5%から2.7%へ引き上げられます。対象企業の範囲も拡大(従業員43.5人以上)されるため、これまで対象外だった中小企業も早急な体制整備が必要です。「数合わせ」ではなく、多様な人材が定着し活躍できる職場環境の整備が急務となります。
IPO審査でも重視される「労務の持続可能性」
上場を目指す成長企業にとっては、新たな審査基準への適応も課題です。2026年のIPO審査においては、労務管理が企業の「ゴーイングコンサーン(継続企業の前提)」を左右する重要指標と見なされる傾向が強まっています。
「つながらない権利」への配慮や、過重労働の自律的な抑制ができているか。これらは単なる法令遵守を超え、投資家に対する「経営の健全性」を示すメッセージとなります。
ここで、2026年に対応すべき労務課題の優先度を整理したマップをご覧ください。
(特定) 影響範囲
(全社)
(健康確保・義務化)
(受入体制・定着)
(インターバル等)
(持続可能性・人権)
なぜ今、「労務コンプライアンス」の再構築が必要なのか
法改正の有無にかかわらず、労務コンプライアンスが経営課題の最優先事項に挙がる理由は、リスクの質が変化しているからです。
リスクは「法令違反」だけではない
かつてコンプライアンスといえば、「法律を守ること(法令遵守)」と同義でした。しかし現在は、法律違反以前の「企業の在り方」が問われます。 たとえば、法的にはグレーゾーンであっても、SNS等で「この会社の働かせ方はおかしい」と拡散されれば、即座に「ブラック企業」の烙印を押されます。これは採用難に直結し、将来の人材確保を困難にします。つまり、労務コンプライアンスは「守りの盾」であると同時に、優秀な人材を選び、選ばれるための「採用戦略の要」でもあるのです。
現場管理職に求められる「リスク感度」と「説明責任」
人事部がどれほど完璧な就業規則を作成しても、現場で運用する管理職に知識がなければ意味がありません。 「昔はこのくらい許された」「俺の若い頃は…」といった管理職個人の古い常識が、ハラスメントや未払い残業の温床となります。2026年の改正安衛法対応や、多様な人材(外国人、高齢者、LGBTQ等)のマネジメントにおいては、現場レベルでの「リスク感度」と、なぜそのルールが必要なのかを部下に語れる「説明責任」が不可欠です。
【解決策】実務直結のeラーニングで体制を強化する

2026年の法改正動向や社会要請に応えるためには、担当者が個別に情報を追うだけでは限界があります。体系的な知識を効率よく社内に浸透させるには、信頼できる専門家のカリキュラムを活用するのが最短ルートです。
杉山 秀文講師(社会保険労務士法人ヒューマンキャピタル 代表)による「労務コンプライアンスの実現に向けて」は、まさに今の企業が抱える課題に対し、現場視点での解決策を提示するプログラムです。なぜこの講座が、これからの組織づくりに有効なのか、3つの視点から解説します。
採用から退職まで。プロセスごとのリスクを網羅
労務トラブルは、ある日突然発生するものではなく、日々の運用の歪みが蓄積して起こります。 本講座の最大の特徴は、採用・入社から、日々の就業管理、そして退職・解雇に至るまで、従業員との関わりにおける全プロセスを網羅している点です。
例えば、ハラスメントやメンタルヘルス対応といった現代的なテーマも、単独の事象としてではなく「雇用管理全体の中でのリスク」として捉え直すことができます。労基法改正が見送られたからこそ、企業独自のリスク管理能力が問われる今、プロセス全体を俯瞰し、どの段階にリスクが潜んでいるかを察知する「感度」を養うことができます。
規程整備と運用ルールの見直し
「法律が変わったので規程を変えなければならないが、具体的にどう文言を修正すべきかわからない」という悩みは、実務担当者にとって切実です。 講座では、就業規則や各種社内規程の整備・変更プロセス、さらには労使協定の締結における実務上の留意点を詳しく解説しています。
特に、2026年に向けて強化される労働安全衛生法(個人事業者への配慮等)や、障害者雇用率引き上げに伴うルールの見直しにおいて、この「制度設計力」は強力な武器になります。単に雛形をコピーするのではなく、自社の実情に合わせた規程運用ができるようになることで、形骸化しないコンプライアンス体制が実現します。
多様化する人材マネジメントへの適応
前半の図解でも触れた通り、2026年は多様な人材(ダイバーシティ)への対応が企業の法的義務、あるいは社会的責任として重くのしかかります。 本講座では、女性活躍推進はもちろん、LGBTQ、高齢者雇用、外国人雇用など、多様性を前提とした労務マネジメントをケーススタディとともに学びます。
法律論だけでなく、「現場で具体的にどう対応すべきか」という実務適応力に主眼が置かれているため、管理職が直面する「判断に迷う場面」での指針となります。これらを学ぶことは、障害者雇用促進法の改正対応など、直近の課題をクリアするための直接的な助けとなるはずです。
2026年の法改正・リスク対応をこれ1つで網羅
採用から退職までの労務リスクや規程整備、多様性対応を網羅的に学習。現場の課題解決と健全なコンプライアンス体制構築に向けた実践力を養成します。
持続可能な組織づくりに向けて
労務コンプライアンスの徹底は、決して「窮屈な職場」を作ることではありません。むしろ、ルールが明確で公正であることは、従業員にとっての「働きやすさ(心理的安全性)」に直結します。
本研修を通じて、人事担当者や管理職が労働法令の趣旨を深く理解し、自主的に社内制度の整備を推進できるようになれば、それは企業全体の資産となります。ハラスメントのない職場、過重労働のない健全な環境は、結果として離職率の低下や採用力の向上をもたらし、IPO審査や投資家からの評価においても強力なアピールポイントとなります。
2026年という変化の年を乗り切るだけでなく、その先の企業の持続的な成長(サステナビリティ)を支えるために、今こそ足元の労務基盤を固める時です。
まとめ
2026年の労務管理は、労働基準法改正の見送りによる「自主対応」の必要性と、安全衛生法や障害者雇用促進法による「規制強化」への対応という、二つの側面を持っています。 変化が激しく、将来予測が難しい時代だからこそ、小手先の対応ではなく、法令遵守の精神に基づいた強固なコンプライアンス体制が求められます。
杉山秀文講師のeラーニング講座は、こうした複雑な課題に対し、体系的かつ実践的な知識を提供してくれます。まずは担当者が正しい知識で武装し、現場の管理職を巻き込みながら、「リスクに強く、人が活きる組織」への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

